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元天才子役で、今はわけあって芸能界から遠く距離を置いてできるだけ目立たないように毎日を過ごしている少年・江戸川師走。
そんなひっそりした日常を過ごすアキトの懐にある日突然入り込んできた、異世界のお姫様アネモネ。
最初はこの異分子を迷惑としか考えていなかった師走が、アネモネに振り回されて過ごすうちに、徐々に凍りついていた内面に変化を起こしはじめる……。

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えーと先日某企画の際にも紹介はしてますが（笑）、改めて。
元・天才子役でわけあって今は目立たないただの一少年・師走と、その妹で今をときめく女優の睦月。この兄妹二人の対比構造の物語かな？とか最初は思いながら読んでいたんですが・・・途中でごく当たり前のようにファンタジーな設定が入り込みます。え、異世界の姫って！？
というわけで、実は屈折した過去を持つ少年とお姫様のボーイミーツガールなのでした。

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これはまた……新井さん特有の「微妙な作風」（褒め言葉です）全開の作品です。
妹を事故で失ってしまった主人公。
そのはずなのになぜかいまひとつ実感を持てないまま。それは……。うーん駄目だ、即ネタバレになりそう（汗

私が勝手に考える新井作品の特徴として、いわゆる作品から漂う空気を「地の文」ではなく、「台詞」で表現すると考えています。本作は、その特徴が相当に強く出ていて、特に友達以上恋人未満だとどう見ても思われるみのりんとの関係は個々の台詞単体ではなく、全体の雰囲気としてつかみ取る感覚です。
私自身はかなり気に入ってます。