名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

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06/12/13 - の記事

本日の名台詞

「よーちゃんは、”可哀想”ってことを、どう思う?」
「どう、って――」
「誰かが誰かを可哀想だと思う――それは確かに優しい事だけど、でも時と場合によっては何の意味もないものだったりすることがある――とは思わない?」
「え、えと――」
「人間にとって一番素晴らしいことは感情移入だ、なんて馬鹿なことを言ってた作家がいたけど――同情なんて、状況が違えば何の役にも立たないわ。人は見当外れの感情移入ばかりして、余所に害にしかならない介入を繰り返しているだけよ。ねえ、よーちゃん――あなたは優しいわ。でもその優しさの使い道を間違えないで。
可哀想なのは、みんながそうなのよ。誰かだけが特に可哀想ということはない……何かを救おうとすれば、別のものを犠牲にするしかないのが、世界というものよ。そして私なら、よーちゃん――あなた以外の誰かを、あなたを犠牲にしてまで救おうとは思わない」


タイトル:しずるさんと無言の姫君たち―The Silent Princess In The Unprincipled Tales(小説:富士見ミステリー文庫)
作者  :かどのこうへい:上遠野浩平
絵師  :くらもとかや:椋本夏夜
デザイン:?
編集  :?
キャラ :しずるさん&よーちゃん (160 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

一言でいうとベッドの上の美少女探偵ミステリ。
これも立派に上遠野ワールドの一角なので、ブギーポップとか読んでる人にはピンと来る部分があったりします。

それでは台詞解説。
わかったようで、実はわからないわけですが、しずるさんが相当によーちゃんのことを想っていることは読み取れます。

SHI-NO―愛の証明

タイトル:SHI-NO―愛の証明(小説:富士見ミステリー文庫)
作者  :こうづきあまね:上月雨音
絵師  :東条さかな
デザイン:?
編集  :?

数少ない(今や希少価値?)富士見ミステリー文庫の中でちゃんとミステリをやりつつ、loveも着実に育ててきた小5の漆黒少女がヒロインの純愛ミステリです。
なんていうかもう志乃ちゃんは挿絵も含めて、破壊力強すぎです。

しずるさんと無言の姫君たち―The Silent Princess In The Unprincipled Tales

タイトル:しずるさんと無言の姫君たち―The Silent Princess In The Unprincipled Tales(小説:富士見ミステリー文庫)
作者  :かどのこうへい:上遠野浩平
絵師  :くらもとかや:椋本夏夜
デザイン:?
編集  :?

安楽椅子探偵ならぬベッドの上の名探偵のしずるさんと、親友にして助手役のよーちゃんによる猟奇殺人ミステリ。うーん、やっぱりおもしろい。ゆったりしたペースでしか出ないのが残念ですが、これくらいがちょうどいいのかも。
逆にまだ3巻しか出てませんので、新規に手を出しやすいとも言えます。一応他の上遠野ワールドとも世界の繋がりを認識させる描写はありますが、それを知らなくても問題なく読める作りになってます。イラスト含めていい出来ですよー。