名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

過去ログ

06/10/09 - の記事

本日の名台詞

「いいじゃない。迷惑かければ」
「……いいんですか?」
「いいのよ。そりゃいい歳していつまでも仕事の一つも覚えられなくて、同じ失敗ばかりしてたらさすがに困るけど、絹川君の場合はそうじゃないでしょ? 若いうちに、失敗できるうちに失敗しておくって、私はすごく大事なことだと思う。失敗の一つもしないで、何かに本気になれたりはできないと思うし、失敗した時にね、それでも続けていきたいって思えることがきっと、好きってことだと思うから」
「それでも続けていきたいって思えることが、好き……」
「うまくいくってすごい気持ちいいことだから、けっこう勘違いしちゃうものなのよ。気持ちいいことをしたがるのはただの本能よね。気持ちいいだけのものがいいなら、それはただの動物よ。でも人間には痛みを乗り越えてでも手に入れたいって願う強さがあるのよ。そしてその強さを産むのが、好きって気持ちなんじゃないかなって私は思ってる」


タイトル:Room No.1301 (#8)(小説:富士見ミステリー文庫)
作者  :あらいてる:新井輝
絵師  :さっち
デザイン:?
編集  :?
キャラ :窪塚波奈&絹川健一 (230 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

作品紹介について画像クリックで。
補足として、このシリーズが独特の雰囲気を持つもう一つの理由として、シリーズ中、おもに巻頭に掲載されている何年か先での回想シーンで、主要な登場人物たちにどういう未来が待っているかいろいろ答えが示されてしまっているということが挙げられます。
それが大団円なのか、はたまた悲劇なのか、それはあえてここでは触れませんが、そういう形式をとっていることが作品に深みを与えているように思います。

二四〇九階の彼女

タイトル:二四〇九階の彼女(小説:電撃文庫)
作者  :にしむらゆう:西村悠
絵師  :高階@聖人
デザイン:?
編集  :?

ちょっと変則的なロードノベル。
外の世界を求めて、階層世界を下へ下へと旅を続け、様々な世界を巡る少年と、相棒のカエル(のようなもの)の物語です。
それぞれの階層では全く違う世界が広がっていて、共通するのは神の代行機械であるアントロポシュカと世界と世界を繋ぐ「門」、そこに至る「鍵」となる人物。それぞれの世界で主人公の少年が体験したことを綴る連作短編形式になってます。
ちょっと世界観をつかむのに最初混乱して、行きつ戻りつしたりしたんですが、それぞれの世界に特徴があっておもしろく読むことが出来ました。あと、基本的には少年のお目付役的な役割にいるカエルが非常にラブリーで、カエルの挿絵に思わず萌えました(笑)
カエルかわいいよカエル。

星屑エンプレス2 きりきりなぼくの日常

タイトル:星屑エンプレス2 きりきりなぼくの日常(小説:富士見ミステリー文庫)
作者  :こばやしめぐみ:小林めぐみ
絵師  :ぽぽるちゃ
デザイン:?
編集  :?

対外的には20歳の外見、でも諸事情あって実際には10歳な帝国皇女ナオシスタ。そのナオシスタに「事故」で殺されてしまい、サイボーグとして蘇って帝国の備品になってしまった犯罪捜査官志望の主人公の受難?を描写するコミカルSF第2弾。
「食卓にビールを」ほどではないですが、作品から漏れてくる表現しがたい緩さが特徴です。
これはもう合う人には合うし、合わない人にたるく感じそうとしかいいようがないですね。私はこういう緩さは好きですけれど。