名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

Room No.1301 (#8)

タイトル:Room No.1301 (#8)(小説:富士見ミステリー文庫)
作者  :あらいてる:新井輝
絵師  :さっち
デザイン:?
編集  :?

どこか心に問題を抱えた人間だけが鍵を手にして入ることの出来るマンション、ROOM1301。そこでのまったりとしてそれでいてえっちもある(笑)日常を描いたのがこの物語です。
どうしてもえっちに注目が集まりがちなこのシリーズですが、日常のなんともいえない会話のキャッチボール、それによって作られる独特な雰囲気こそがシリーズ……というか新井作品の肝であると思います。

なお、この巻ではとうとう物語が動き始めます。シーナ&バケッツがテレビの取材を受けることになり、それによって何かが変わっていくのですが……。その何かは読んでのお楽しみと言うことで。


この作品の名台詞

「いいじゃない。迷惑かければ」
「……いいんですか?」
「いいのよ。そりゃいい歳していつまでも仕事の一つも覚えられなくて、同じ失敗ばかりしてたらさすがに困るけど、絹川君の場合はそうじゃないでしょ? 若いうちに、失敗できるうちに失敗しておくって、私はすごく大事なことだと思う。失敗の一つもしないで、何かに本気になれたりはできないと思うし、失敗した時にね、それでも続けていきたいって思えることがきっと、好きってことだと思うから」
「それでも続けていきたいって思えることが、好き……」
「うまくいくってすごい気持ちいいことだから、けっこう勘違いしちゃうものなのよ。気持ちいいことをしたがるのはただの本能よね。気持ちいいだけのものがいいなら、それはただの動物よ。でも人間には痛みを乗り越えてでも手に入れたいって願う強さがあるのよ。そしてその強さを産むのが、好きって気持ちなんじゃないかなって私は思ってる」

→解説


「健一さんのハーモニカはすごいですよ。それがわからないというなら、早く気づいてください。そうじゃないと応援してる私がバカみたいじゃないですか」

→解説


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