名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

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08/03/19 - の記事

本日の名台詞

「また質問?」
「え……?」
「いいけどね。あたしはなんでも答えるよ。あたしの心の底にある、誰にも明かしたくないことだって、教えてあげたっていいよ。答えたくないけど、ザネになら答えてあげる」
「ど、どうして僕になら教えてくれるの?」
「それは、あたしがザネには答えたい、と思うからよ」
「ど……どうして笑うの?」
「さぁ、楽しいからでも、嬉しいからでもないよ」


タイトル:樹海人魚 2(小説:ガガガ文庫)
作者  :なかむらくろう:中村九郎
絵師  :羽戸らみ
デザイン:?
編集  :?
キャラ :奈々&森実ミツオ (123 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

不死の怪物である人魚と、そして同じ人魚であっても調律を受け”歌い手”となった人魚である少女達の戦いを描いたひじょーに独創的なファンタジーなアクションです。

それでは台詞解説。
いつも奈々のわがままに振り回されるミツオ。今回も奈々の「わからない」受け答えにタジタジですが、なんというかこう……ちょっとは想いに気がついてやれミツオ! なんて鈍いんだ!
そんなわけで、奈々の笑いは多分諦めに近い苦い笑いなのでしょう。

樹海人魚 2

タイトル:樹海人魚 2(小説:ガガガ文庫)
作者  :なかむらくろう:中村九郎
絵師  :羽戸らみ
デザイン:?
編集  :?

相変わらずわかりにくいながらも、中村九郎入門としては最適のシリーズ。
不死の存在である怪物”人魚”。街を壊滅の危機に陥れる人魚に対抗するため、同じ人魚でありながらも調律された”歌い手”を”指揮者”が操って戦うバトルアクション……と、見た目だけ解説するとこんな感じです。
実際読んでみると、やっぱりその独創的な感覚に圧倒されます。思い切りハマるか、それとも途中で投げ出すかの二択。中村九郎作品はそういう麻薬的な魅力を持っているのです。