名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「ひとは変わろうとするとき、まずこれまでの自分を否定するのよ。そしてこれまでの自分というものをつくり上げてくれた、周囲の他人を否定するの。そしてその古い人間関係を断ち切るところから、自己改革を始めていくのよ。つまり人間関係が浅ければ浅いほど――友達の数が少なければ少ないほど、変わるのは簡単なのよ。重力のように引きとめようとする力が少ないわけだから、少し地面を蹴るだけで大きく弾める。いくらでも変われる。いくらでも冒険できるわ。でも、あたしは誰にも変わってほしくないのよ。あたしはもう何一つ失いたくないの。誰にも切り捨てられたくないのよ。あたしはね、あたしの周囲にあるすべてのものを地上に引き止めておくための強い重力になりたいと思うわ」


タイトル:楽園ヴァイオリン クラシックノート(小説:コバルト文庫)
作者  :ともぎりなつ:友桐夏
絵師  :四位広猫
デザイン:?
編集  :?
キャラ :?(ネタバレ防止のため) (226 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

一介の女子高生同士の学園青春ものだと思っていると、あれ?あれ?おや?という具合に大転回していくリリカル・ミステリ。
ちょっと独特な作風なので好き嫌いはあるかもしれませんが、とりあえず一作は読んでください。かなり強い印象を残すことでしょう。私は超好き。

それでは台詞解説。
ネタバレ防止のためにあえて誰の発言かということは明示しませんが、一人の少女の発言としては相当に強烈です。ある一人の少女を自らの側に留めておきたいと願う少女。そういう状況自体は普通にありますが、それがこういう発言に繋がる辺りが素晴らしいわけで。