名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

異常な事件が起こったからといって、自分まで異常になる筋合いがどこにある? 無力な容疑者の拷問を正しいと思えとでも? ふざけんな――断固たる拒否。
脳裏をよぎる思い――生まれつき手足を開けず、地面に這いつくった幼い自分。
そのとき自分にとって世界は拷問だった。何もかもが四方にそびえ立ち、いつ踏み潰されるか分からないという恐怖をもたらした。心を殺されそうになるほどの恐怖――果てしない怒り。
殴られるのと同じほどの実感――理屈抜きの。あたしは拷問が嫌いだ。そんなのは大嫌いだ。あんな不愉快なもの二度と見せられてたまるか。連中がまたあれをやろうってんなら、そのときは相手が誰であるかに関係なく、ぶっ潰してやる。ユーリーとその仲間たちがへこたれるだけの戦争をあたしが起こしてやる。くそったれ。


タイトル:オイレンシュピーゲル 2(小説:スニーカー文庫)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :白亜右月
デザイン:?
編集  :?
キャラ :涼月 (152 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

すいません、またしてもオイレン・シュピーゲルから。だって好きなんですよー!
かなり独特な文章から繰り出される燃えに燃えるアクションSFです。詳細は書影クリックで。

さて、台詞解説です。
自分の目の前で拷問を許してしまった自分に憤って、自らの境遇とも照らし合わせて二度とはさせないと誓う涼月。割と抑えめとはいえ、この台詞にも独特なリズムのいったんが表われています。