名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ドラグネット・ミラージュ

タイトル:ドラグネット・ミラージュ(小説:ゼータ文庫)
作者  :がとうしょうじ:賀東招二
絵師  :篠房六郎
デザイン:林健一
編集  :?

ドラグネット・ミラージュは、まだ創刊したばかりの新レーベル・ゼータ文庫から出ている実に実に趣味的な作品です。
だがそれがいい。

十数年前に超空間ゲートによって、異世界と繋がった都市サンテレサ市で、消息を絶った異世界人の「妖精」を追って騎士がやってきます。その騎士と、市の敏腕刑事がお互い嫌々ながらもコンビを組んで操作を行う事になるのですが……。
あまりにも違う文化圏同士で考え方なども著しく違い、お互いを嫌いあっている二人による捜査の行方が描写されるのですが、これが実に魅力的。あとがきでも書かれていますが、完全に海外刑事ドラマのノリです。世界観も秀逸。
原案が賀東招二さんで執筆は別の方なんですが、正直本人が書いたと考えても全く違和感のない出来です。しかしまあ本人が違うと言うからには違うのでしょう。
渋い話を読みたい方、または表紙絵に惹かれた方は迷わず読んでください。失敗する事はあり得ません。
なお、あとがきには大変楽しませていただきました。ふっ……。


この作品の名台詞

「怪しい人間は全て捕らえて、厳しく尋問するわけにはいかないのか」
「地球にはな、『基本的人権』って名前の神様がいるんだよ。おまえさんの騎士団とやらも、神には逆らえないだろ?」

→解説


シリーズ一覧


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/193