名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「勘違いしないことね。所詮、溝(ドブ)で生まれた孤児は孤児。おまえはジューヌの身代わりにいつでも、その生命を投げ出す鼠に過ぎないのよ」


タイトル:タザリア王国物語 影の皇子(小説:電撃文庫)
作者  :スズキヒサシ
絵師  :あづみ冬留
デザイン:?
編集  :?
キャラ :リネア (119 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

詳細は画像クリックでもわかりますが、姉姫様であるリネアの存在感が他を大きく圧倒しているとつい強調してしまったんですが、根っことなる身代わり皇子の話としてもきっちり魅せてくれます。おすすめです。とはいえリネアあっての作品だとあえて言い切りますが!

もし気にする点をあえて挙げるとするなら、大人の事情によりストップした前作「ダビデの心臓」の作風を知る人にはおわかりのように、実に容赦のない展開をする傾向があるうえに、1巻で蒔かれた数々の伏線を考えるとどうも誰ひとり幸せにはなれないんじゃないかという気がしまくりなところでしょうか。ああ、今から続きが「わたし、気になります」

それでは台詞解説。
姉姫・リネアの性格の一端を表すと共に、身代わり皇子は外からどういう目で見られているのか、といってあたりが実によくわかる台詞です。なお、リネアなんですがこういう言動を見ていると好きな子にはつい嫌がらせをしてしまう小学生を連想します。そこに嗜虐趣味と世間知らずと狂気と権力をブレンドしてしまうと混ぜるな危険になる好例ですね。もはやなにが言いたいんだかよくわからなくなって参りましたが、とにかく私はこの作品が好きなのですっ!