名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「君は恋をしたことがないのだな」
「な!? なな何をおっしゃる。僕はこう見えて、がが学園美男子ランキングの……」
「違う違う。私が言っているのは男女交際のことじゃない。
片想いでいいんだ。たとえ片想いでも、本当に恋をするとだね、相手が何より価値あるものに感じられる。ひどいぞ。この世の価値あるもの全てとつり合うんだよ。この人を手に入れるためなら、何を差し出してもいいと思ってしまうんだ。もちろん、理屈じゃわかってる。相手も同じ人間、つまらない部分もあれば、嫌悪すべき部分もある。だが、感情の前に理屈は無力なものさ。相手はいつしか、自分にとっての世界そのものとなる。その人に拒絶されることは、この世の全てに否定されることなんだ。
自分は何の価値もない人間と思わされる。その痛みを君は知らんと言ったのだよ」


タイトル:かくてアダムの死を禁ず 夜想譚グリモアリス(小説:富士見ミステリー文庫)
作者  :かいとうれいじ:海冬レイジ
絵師  :松竜
デザイン:?
編集  :?
キャラ :姫沙 (114 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

各種のベタな萌え完備の物語……と序盤で思わせておいて、実はミステリなお話。
とはいっても読みにくいわけではないのでご安心を。個人的にはイラストにあっさり敗北しました。……ゴスロリとメイド成分には弱いんです。

えーと台詞解説。
殺しの動機に関わる話題になったときの話です。まあ見たままといいますか。