名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「ああ、もちろんいいですよ。お守りすると口だけで言うのは」
「口だけ?」
「ええ。私たちは実際には何が起きても手を出しません。探索のメリットになる人なら手厚く守りますが、取材では……。地下のすぐそこで亡くなられても遺体を持ち帰ることもしません。遺体を運ぶのも気がめいる作業ですから。口だけならあわせます。でも実際には何もお約束できません。それでもいいならどうぞ」
「……視聴者は知りたがっています」
「知りたい人はこの街にいらっしゃい。あなた方がどうしても見せたかったら危険を冒しなさい。私たちは十分見ていますし、ほかの方に見せるために自分の命を削る必要はありません」


タイトル:迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの(小説:GA文庫)
作者  :はやしりょうすけ:林亮介
絵師  :つゆき:津雪
デザイン:?
編集  :?
キャラ :桐原聡子&間光彦 (147 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

現代日本の京都に突如として現れた”迷宮”。大金を得るため、あるいはそれ以外のために探索者たちは危険を冒して怪物達と戦う群像劇。
死に対する視点がかなり冷徹です。

それでは台詞解説。
迷宮街に取材にやってきた取材班が、迷宮内部の撮影もしたいと言い出したことに対する答え。ちなみに彼女は平日は有能なOLとして働き、週末だけ迷宮に潜る週末探索者なのですが、死線をくぐり抜けてきた経験か、いわゆる一般人とはあまりにも違う目線をもっているです。