名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「お父さんは優しかった?
お母さんのこと、好きだった?」
「……うん」

「そう。
悪いけれども、私はあんたの父親でも母親でもないからその代わりはできないわ。もちろん、高遠たちにもね。でも、あんたには新しくきょうだいができたのよ。兄さんがひとり、姉さんがふたり、妹がふたり、弟だか妹だかよくわからないのがひとり。それ、自分で知ってる?」
「私はあんたの姉なのよ。姉っていうのはね、弟を守るのが仕事なの。だから私は、あんたを守ってあげる。すべての災難から、すべての不幸から、すべての悲しみから、あんたを全身全霊で守ってあげるわ。そのためならね、私は死んだって構いやしないのよ」
「だからあんたはその代わり、私に焼きそばパンを買ってくるの。姉のために焼きそばパンを全身全霊で手に入れる、それが弟の役目なの。わかった?」
「わかったなら顔を上げて泣き止むこと。怒って、泣いて、後は笑った顔を私に見せるのよ」


タイトル:@HOME 我が家の姉は暴君です。(小説:電撃文庫)
作者  :ふじわらゆう:藤原祐
絵師  :山根真人
デザイン:?
編集  :?
キャラ :倉須リリィ (98 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

素敵な素敵な家族もの。
厳しい現実と向き合う部分もちゃんとあり、鬱なすべてをぶっとばす破壊力もあり。特に姉のリリィの存在感は半端ない!

それでは台詞解説。
まさに半端ないリリィの存在感を見せつけた一幕です。倉須家に引き取られたものの、心の底からは溶け込んでいない響に怒ったリリィが荒療治に出ます。そこで、リリィがどれくらい弟のことを気にかけているかがわかるんですが……こんな頼もしい姉になら普段暴君として君臨されてもしょうがない!