名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

@HOME 我が家の姉は暴君です。

タイトル:@HOME 我が家の姉は暴君です。(小説:電撃文庫)
作者  :ふじわらゆう:藤原祐
絵師  :山根真人
デザイン:?
編集  :?

両親と死別し、血縁のない6人が家族として過ごす「倉須家」の一員となった少年・響の激動の毎日と、倉須家の絆を描く家族もの。
非常に癖の強い家族がいっぱいで毎日が大騒ぎの中、響は新しい家族とうまくやっていけるのか?

やべえ、リリィ姉さんまじ惚れる。
家族ものが好きなら断然おすすめなのはむろんですが、”高屋敷青葉”とか”小町つぐみ”という名前に反応する人は買わざるを得ないはず!

不慮の事故で両親の死別した響。そして呆然とする自分の気持ちなどおかまいなしに遺産のことしか目がない親戚達。そんな中突然乗り込んできた「倉須」家の長男・高遠と、次女・リリィは暴風のごとく吹き荒れて、気がつけば響は、倉須家に引き取られることになっていた。そんな倉須家の家族は両親はいない、血のつながりもない超個性的な6人だった。響が7人目として溶け込むには前途多難?

まず普段の会話劇が楽しいので、自然にどんどん読み進めることが出来ます。家族ものとしての暖かさはもちろん、藤原祐お得意のダークさを他人同士が家族としてやっていくことがそんなに簡単ではないという現実に変え、そんな逆風をものともせず吹き飛ばしてみせる家族の絆! ああこれぞ家族ものの醍醐味。
そして1巻でクローズアップされてることもあるんですが、リリィ姉さんがまじかっこいいですが! 暴君とはいっても理不尽な暴力ではなく、回りくどい真似をしないまっすぐさがあらわれてます。特に響の頑なさと対峙した時のシーンには、感動すら覚えます。
これは続きが非常に楽しみ!


この作品の名台詞

「お父さんは優しかった?
お母さんのこと、好きだった?」
「……うん」

「そう。
悪いけれども、私はあんたの父親でも母親でもないからその代わりはできないわ。もちろん、高遠たちにもね。でも、あんたには新しくきょうだいができたのよ。兄さんがひとり、姉さんがふたり、妹がふたり、弟だか妹だかよくわからないのがひとり。それ、自分で知ってる?」
「私はあんたの姉なのよ。姉っていうのはね、弟を守るのが仕事なの。だから私は、あんたを守ってあげる。すべての災難から、すべての不幸から、すべての悲しみから、あんたを全身全霊で守ってあげるわ。そのためならね、私は死んだって構いやしないのよ」
「だからあんたはその代わり、私に焼きそばパンを買ってくるの。姉のために焼きそばパンを全身全霊で手に入れる、それが弟の役目なの。わかった?」
「わかったなら顔を上げて泣き止むこと。怒って、泣いて、後は笑った顔を私に見せるのよ」

→解説


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