名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「なぁに? あたしがお姫さまの話をするのがそんなに変?」
「い、いや、そうじゃなくてさ、……どうしてここで、お姫さまが出てくるのかな、って……」
「だって、『魔王』ときて、『勇者』がいるなら、次は『お姫さま』でしょう? じゃなけりゃ勇者はなんのために戦うの?」
「……魔王を倒して世界を平和に、じゃダメなんか?」
「……ダメ。勇者はお姫さまのために戦うの」
「ダメなんか? その理由は?」
「だって世界のためになんて、絶対に、だれかを泣かしちゃうんだから。魔王を倒すため、なんていうのも目的を見失っている感じだし。――別にそういう考えだって、結果的には偉いんだろうし、そういう人たちはきっと偉いヒトなんだろうけど――英雄? みたいな? ――でも勇者って、文字どおり、勇気のある者、でしょう? だったらさ、世界平和、魔王討伐、女の子を守ること――どれが一番、『勇気』って言葉が似合ってる?」
「強いていうなら、魔王討伐……」
「えー、魔王討伐に必要なのって、『勇気』とかより『強さ』とかじゃない?世界平和だって勇気より似合う言葉がありそうだし。……もちろん、どれにも『勇気』はいるんだろうけれど、あたしはやっぱり、女の子を守ること、これが一番『勇気』って言葉に似合ってると思う。だからやっぱり、『勇者』は『お姫さま』のために戦わなきゃ。強さとか使命とか関係なく、精いっぱいの勇気で、世界のためでも、魔王を倒すためでもなく、女の子を助けるために、ね?」


タイトル:シフト 1―世界はクリアを待っている(小説:電撃文庫)
作者  :うえおひさみつ:うえお久光
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?
キャラ :セラ&ラケル&ロック (173 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

RPG的な世界にシフトしてそこでの物語。
かなり「深い」です。

それでは台詞解説。
勇者は魔王討伐ではなく、お姫さまのために戦うべきだ!というセラの持論とは……。