名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「てめぇ、何泣いてんだよ」
「――な、泣いてなんか……泣いて悪いんか」
「なんで泣くんだ。どこに泣く必要がある。
泣くなよ。これ見よがしに、人前でよ。クソうげぇ。てめぇの涙に何か価値でもあると思ってやがるのか」
「そ、そんなん……わしはただ、リュリュちゃんが不憫で……」
「不憫?」
「せ、せや。だって、かわいそうやないか」
「あー? 可哀想? こいつがかわいそうだ? てめぇ、ふざけんのは顔だけにしろよ。いいか。ものを知らねえようだから教えてやる。かわいそうってのはな。
……かわいそうってのは、俺みたいに薄汚れた過去しか背負ってねえ、最悪で、最低で、夢も希望も未来もねえ、ろくでなしのための言葉だ。こいつは違う。かわいそうなんかじゃねえ。少しもだ。こいつは今まで精一杯生きてきたし、最後にもう生きてもいねえ好きな男を捜しにこんな街まできて、くたばるまでちゃんと生きたんだ。ただ死ぬのがちょっとばかり早かっただけだ。こいつのどこがかわいそうなんだ」


タイトル:薔薇のマリア Ver4 hysteric youth(小説:スニーカー文庫)
作者  :じゅうもんじあお:十文字青
絵師  :BUNBUN
デザイン:?
編集  :?
キャラ :アドリアン&カタリ (288 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

あえて一切解説は無し。
充実した生とは?