名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「描くのか?」
「描きたいです。それでも、俺は描きたい」
「もう一度、聞く。やめる気は?」
「ないですね」
「君の絵のせいで傷ついた人間がいるんだぞ? それに罪悪感を感じないのか? さっき君は一生後悔しなくて済んだと、私に言ったばかりだろう? あれは嘘か?」
「いいえ、でもそんなことじゃ退けない。
表現者なら誰でもそうだ。表現が直接傷つけたならやめようと思っても無理はない、それが責任の取り方かもしれない。でも間接的な影響では、例えそれが人名に関わろうと、絶対に画家は筆を折らない。それで折るようなら、負け犬だ」


タイトル:くるくるクロッキー(小説:電撃文庫)
作者  :わたなべこま:渡部狛
絵師  :茨乃
デザイン:?
編集  :?
キャラ :魚住或瀬 (263 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

”女の子の肌”に絵を描くと、その絵が生命を持ってしまう――そんな能力を持った少年の物語。
「描きたいけど、描けない。でもやっぱり描きたい!」そんな衝動についての描写が他人事とは思えませんですええ。

それでは台詞解説。
見ての通りで、絵が生命を持ってしまったことで騒ぎになった前科があるために一度は悩んだ或瀬。それでも最後は描きたい欲求は誰にも止められないのです。