名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

結局さ。結局さぁ。お題目とか哲学とか、悟りとか決断とか。
なんでもいいよ。どんな形でも、だれが与えてくれるものでもいいから。
一つでも人生の過程を認められれば、少しは前向きになれるんだよ。
人間ってそんなものね、って。
下手な鉄砲も数撃てば当たる。静よ、つまりそういうことなのだよ。
アタシの人生、思い描いたものを完全に諦めて捨てたことだけは一度としてない。叶えられたこともなんにもないっていうのが致命的だけど、どれもこれもと欲張ってどれも投げださずに、重苦しい荷物を担いでここまで歩いたり、走ったりしてきたことだけが、美徳とかろうじてすがれることなのだ。そしてこれからも、捨てずに引きずる。
「……どーよ」
主人公って、それぐらいできれば名乗っていいものなんじゃないの?
地球に山ほど、街にだって掃いて捨てるほどいる主人公たちと、肩を並べるには。


タイトル:六百六十円の事情(小説:メディアワークス文庫)
作者  :いるまひとま:入間人間
絵師  :うきあつや:宇木敦哉
デザイン:?
編集  :?
キャラ :三葉由岐 (85 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

「カツ丼は作れますか?」というコミュニティの掲示板書き込みから始まる物語。青春群像劇です。ほんと青春だなあ。

それでは台詞解説。
発言者は逆ヒモ状態で、仕事もせず毎日のようにそれほど上手いわけではないギターを弾いてくるのが日課。でもそんな自分にいろいろ限界を感じてます。しかしある日一筋の光明が! それがなんなのかは言いませんが、主人公は主人公願望があって、その意識をふとしたことで刺激されたのです! とにかく立ち止まるな歩き続けろ、かな?