名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

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07/02/16 - の記事

本日の名台詞

「まったく、ぬしがもっと察しのよい雄であれば、こんなこっぱずかしいこと言わんでもすむのに」
「それは……すまない……」
「くふ。ま、お人好しなのはおぬしの数少ない美点じゃが……わっちにはそれが少し怖い。
わっちがこんなふうに寂しげにしておっても、ぬしはがぶりと食わぬのじゃからな。まったく、恐ろしい雄じゃ」


タイトル:狼と香辛料 (4)(小説:電撃文庫)
作者  :はせくらいすな:支倉凍砂
絵師  :あやくらじゅう:文倉十
デザイン:?
編集  :?
キャラ :ホロ (117 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

「狼と香辛料」は、経済要素が入っているからこそ、物語が光り輝くのはもちろんですが、それを抜きにしてロレンスとホロの掛け合いだけでも相当にイケてる気がするのは私だけじゃない、はず。

それでは台詞解説。
どこまで本気で言ってるのかすらもわからない、でも100%お世辞やジョークで構成されているわけでもないのでなおさら本心が掴みにくい、男を手玉にとる悪女(笑)ホロの真骨頂発揮といったところですね。あ、言うのも野暮ですが食うってのは当然あれの比喩ですから!

狼と香辛料 (4)

タイトル:狼と香辛料 (4)(小説:電撃文庫)
作者  :はせくらいすな:支倉凍砂
絵師  :あやくらじゅう:文倉十
デザイン:?
編集  :?

行商人ロレンスと、狼の化身である少女・ホロの旅路を描いたロードノベル。ただし、中世のファンタジーな世界観を持ちながら経済要素を取り込んだ希有なライトノベルです。
武力ではなく、商人としての才覚を駆使しての逆転劇が非常に魅力的。また、ロレンスとホロのやり取りも秀逸。ホロは賢狼として、長い時を生きてきたために海千山千な会話術を誇り、いいようにロレンスをあしらうのですが、でも時にのぞかせる信頼の証がなんとも素晴らしいのですよ!

なお、4巻では雨降って地固まったバカップル(笑)のつつきあいです。説明としてかなり間違ってるように思いますが、必ずしも間違ってるとも言い切れなかったりして。

クリア・ヴォイス

タイトル:クリア・ヴォイス(小説:GA文庫)
作者  :いいだゆきこ:飯田雪子
絵師  :裕龍ながれ
デザイン:?
編集  :?

デビュー前の歌手をガードすることになった、新米探偵の話。
なぜまだ名前も知られていないはずなのに、狙われるのか? 周りの人間の不審な行動の意味は? というちょっとしたミステリ風味です。
物語としての起伏はあまり大きくなく流れていくような印象がありますが、ところどころの台詞などに優しさを感じました。というわけで、派手な演出がなくても物語を楽しめる人向けかも。