名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「……あのとき、あそこに皇女様みてえなのが一人でもいれば良かったんだな」
「え?」
「おれの故郷じゃ、死人にゃ涙が要るって言うんだ。生きてる奴がいてくれねぇと、死んじまった奴は喉が渇いて、使者の門まで辿ちつけねぇんだと。……あそこじゃ誰一人、泣くような殊勝な奴はいなかったもんなあ」


タイトル:アダルシャンの花嫁 イシュターナの祝鐘(小説:角川ビーンズ文庫)
作者  :あめかわめぐみ:雨川恵
絵師  :桃季さえ
デザイン:?
編集  :?
キャラ :カジャ&ユスティニア (136 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

政略結婚によってはじまった年の差夫婦には、いつしか友情というか愛というかちゃんとそうしたものが芽生えていくのでありましたというか、12歳の破壊力はかなり大きいですええ。

それでは台詞解説。
本来王侯貴族の嫌いなカジャですが、人の痛みを我がごとのように感じることの出来るユスティニアの素直さに触れて、思わず漏れた本音。ちなみにあそこというのは戦場だと理解してもらうのがよいかと。