名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ゼペットの娘たち

タイトル:ゼペットの娘たち(小説)
作者  :みきゆうえい:三木遊泳
絵師  :みやたそうじ:宮田箏治
デザイン:?
編集  :?

意思を持った人形として作られる機鋼人形と、その製作者である機鋼人形師のハートフルストーリー。
SFっぽさはほぼゼロに等しいので、SF苦手の人でも特に気にすることなく読めます。
ほんのりと暖かい物語をお探しの方にはおすすめ。
もちろん自動人形な物語が好きな人は無条件に買いです。

機鋼人形にはあふれんばかりの愛情を注ぐけれど、対人コミュニケーション…というか、人形に関する技術以外についてはダメダメな人形師の少年・サツキ。
発注された人形の少女・ハリケーンをせっかく制作したのにキャンセルされてしまい、莫大な借金を抱えた彼は、その返済とハリケーンの行き先を見つけるために片田舎から出てきたのですが……。
凄腕の人形師・ニコや、高い技術で作られたエレガンテなどとの関わり合いを通じて、サツキの後をついて回るだけの幼い子供状態のハリケーンが、徐々に成長していく様が微笑ましいです。後半の展開は、この種の定番ストーリーとしては、「あ。いい方向に物語を持っていったなあ」と感じて、気に入りました。

ただ一点。これだけは言いたい!
実は人形の命名には規則性があって、そういう意味ではハリケーンという名付けには納得が行くし、名付け親であるサツキの性格をよく表しているとは思います。思いますが……
一応清楚っぽい少女型の人形の名前にハリケーンって名前はさすがにどうよ?
読み終わっても未だに違和感ありまくりですよ……そこだけがちょっと残念。まあその代わり一度聞いたら二度と忘れない効果はあるかな?


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