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カレイドスコープのむこうがわ

タイトル:カレイドスコープのむこうがわ(小説:電撃文庫)
作者  :みきゆうえい:三木遊泳
絵師  :ぷよ
デザイン:?
編集  :?

祓い師の強気なお姉さんに、この世のものでない存在を視ることのできる「同調者」としての能力を見込まれ、半ば無理矢理祓いの助手にされてしまった少年・道広の日常を描いた現代ファンタジーです。
新人作品ですが、これはいいですね! 
この手の現代ファンタジーだと、ギャグに偏るか殺伐とするかどちらかになりがちですが、この作品ではどこかのんびりした雰囲気を持っているのがグッド。おすすめ。
また、真ヒロイン(って言えばいいのか?)の井上さんが超破壊力。ツンデレとかそういうステレオタイプとは一味違います。

祓い師とその助手という構成は現代ファンタジーでは割と王道。ちょっと脱力系入った少年の一人称で進んでいくのも、最近のスタンダード。
ただ、この作品の場合ヒロインが(たぶん)祓い師の強気な姉御・淑乃ではなく、かといって使い魔の少女・小夜でもなく、完全に日常世界の側にいる少女・井上さんというのが大きな特徴です。作品は大きく日常パートとお祓いパートに分かれるのですが、日常パートの側にしかいない井上さんの存在が、一応バトルもあるはずのこの作品においてどこかのんびりとした雰囲気を作り出すことに一役買っているかもしれません。
さて、姉御の方はどうでもいいから(爆)井上さんです。ツンでもデレでもなく、積極的だけど報われないああなんて健気なんだ井上さん。その真の破壊力は名台詞をチェックしてご確認ください。この台詞にはやられました。
きっちり1巻で内容的に終わってますが、でも続編を続けるにも無理のないある意味理想の終わり方。これはぜひ続編も読みたいですね。


この作品の名台詞

「義理じゃないけど、チョコいる?」

→解説


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from いつも感想中 on 土曜, 2007/03/10 - 17:19

カレイドスコープのむこうがわ 作者: 三木遊泳 出版社/メーカー: メディアワークス 発売日: 2007/03 メディア: 文庫 ストーリー 主人公の少年・神田通弘(かんだみちひろ)は中学三年の受...