名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

……私たちは、なぜこんなことをしているのだろう。
クラス合唱に努力をかたむけると、いったい何が得られるというのだろう。
……だれが、これをしようと言い出すのだろう。目をそらそうと耳をふさごうと、私たちは個人でしかなく、大学受験は個人が受けるしかないのに。
歌いながら、とりとめのない考えが頭をよぎる。
……私たちが歌うのは……たぶん、私たちが若いからだ。
自分たちの努力の先に何があるか、まだ見えていないからだ。
価値あるものは何か、勉強にははたして価値があるのかどうか、未定だからだ。
……だから、とりあえず歌ってみる。
とりあえず全員が歌ってみるのだと、私は思った。


タイトル:樹上のゆりかご(小説:C★NOVELS ファンタジア)
作者  :おぎわらのりこ:荻原規子
絵師  :香坂ゆう
デザイン:?
編集  :?
キャラ :上田ひろみ (42 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

おすすめ。その理由については……画像クリックでどうぞ。
うーん、これはやっぱり「西の善き魔女」にも手を出してみたいところですね……

それでは台詞解説。
合唱コンクールで、最初はクラス全体があまりテンションの上がらない状態だったものの、直前にはいつの間にかしっかりと団結して一生懸命になっている。そして本番。そういう中で、「なんで歌っているのか?」という素朴な疑問に対しての自問自答です。どこを目指しているかよくわからないけど、とにかく走ってみる、そういう感覚がよく出ているんじゃないかと。