名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

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07/08/06 - の記事

2007年7月の傑作ライトノベルピックアップ

2007年7月発売のライトノベルの中から、個人的に特におもしろかったものをピックアップして紹介。(先月分はこちら
7月は夏コミの準備に追われてあまり本を読めず、真の傑作を取りこぼしているかも(汗
単発作品優先。特に人気シリーズについてはよほどすごい!と思ったとき以外は対象から除外します。
詳細な感想・名台詞については書影をクリックしてください。
ちなみにこのピックアップは初回から全て、明確な順位付こそしていませんが、上の方のものをよりおすすめとしています。


ダークエルフの口づけ 3 ソードワールドノベル
ソードワールドに縁のない方にもおすすめ。
ファンタジーではありますが、「誰が敵で誰が味方なのか最後までわからない」サスペンスとして高く評価します。

本日の名台詞

左馬之助はいつからそんなことを考えるようになったのだろう。幼い頃、左馬之助の考えていることはなんでもわかったのに、今はわからないことのほうが多い。
右由子の愚痴に、西丸はパソコンを睨みながらちょっと不機嫌そうにこう言った。
「そりゃあ男にはわかられちゃ都合の悪いこともある」
「意味がわからない」
「だからわからなくていいんだって」
「それじゃあわじゃらないよ」
「だからわからなくていい」
「……わたし、邪魔してる?」


タイトル:エンドロールまであと、(小説:ルルル文庫)
作者  :かべいゆかこ:壁井ユカコ
絵師  :太田早紀
デザイン:?
編集  :?
キャラ :佐々右由子 (112 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

普通ではまず有り得ない一卵性双子の姉弟として生まれた佐々家の二人の、禁断の恋。
ただし、片方は明確に自覚しているけれど、姉の右由子には16にしてようやく二次性徴がやってくるという発育不良のためもあってか自覚がまるでない状態というのがいやはや。

台詞解説は、双子の弟の行動が最近全然わからなくなってしまった愚痴と、その応対です。
すいません地の文混じりすぎ(汗

エンドロールまであと、

タイトル:エンドロールまであと、(小説:ルルル文庫)
作者  :かべいゆかこ:壁井ユカコ
絵師  :太田早紀
デザイン:?
編集  :?

世にも希な一卵性双子の姉弟。
その代償として、非常に弱い身体を持った少女・佐々右由子と、その弟である佐々左馬之助の禁断の恋物語。
そして、映研メンバーそれぞれの視点で、切り替えて物事を追っている青春模様です。
やり方は違えど、名状しがたい、行き所のない感情の持って行き場に戸惑う二人の心の動きが実によく伝わってきます。
壁井作品を過去に読まれていればわかりますが、諸々の文章表現が絶妙という他ない!