名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

最近のライトノベルの挿絵について……と見せかけた別の話

●最近のライトノベルは……
要は「最近のライトノベルって絵、ヘタじゃない? 没個性じゃない?」というお話。
はてなの匿名ダイアリーでの言及を起点として、あちこちで話題になってますね。
うーむ、と思ってあれこれ書きかけたところ平和さんがほぼ自分の意見を言ってくれていたので、書くのやめました(笑

●最近のライトノベルは絵が下手なのか?没個性なのか?
補足するべき事があるとすれば、なにかあっても「それは市場が望んだから」。

6/17追記:のべるのぶろぐでまとめ記事があがっていたのでリンク。いやいやすごい勢いで増殖してますね……
●まとめ:ラノべのイラストは劣化したか問題

以下余録につき脱線。
いろいろ飛び火して言及された記事を追ううちに個人的な違和感が増大。
いつの間に、『ライトノベル=少年向け』というイメージで固定されてしまっているのでしょう?
だって、そうでもないと「表紙に女の子がピン立ちでうんぬん」という話は出てきませんよね?
例えば少女小説の筆頭であるコバルト文庫は、どういうこだわりなのかわからないけど編集部見解では「ライトノベルではない」と主張してますが、外から見るとライトノベル以外の何者でもない。ビーンズ文庫だってヒットアニメを連発する人気レーベル。だけど可哀想に、見事に蚊帳の外です。

私も基本的には少年向けのものを中心に読んでるので、少女向けの現状について詳しく語れと言われても困るのですが、どうなんでしょうね実際のとこ。
単にラノベ定義そのものが、非常に曖昧なままになっているので、少女向けがすっぽり抜け落ちているような錯覚に陥っているだけ?
私にはそうは思えないのですが……。どうにも、
ライトノベル=少年向けの●×小説  少女小説=少女小説
というわかったようなわからないような区切りがあるように思えてしょうがない。 

などと、結論の出そうにないことをつらつら考えていたのでありました。
 

トラックバック

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from のべるのぶろぐ 2.0 on 日曜, 2007/06/17 - 12:04

最近のライトノベルは……(イラストは劣化しました) ライトノベルの挿絵は劣化した...

from いつも感想中 on 土曜, 2007/06/16 - 12:17

絵が下手になった? 最近のライトノベルは……ってエントリで、 まあ単刀直入に言うと「絵師、ヘタじゃない?」ってこと。 って書かれたのが切っ掛けかな? で、続けて、 ライトノ...

そういう言い方はないと思う

 「平和の温故知新@はてな」さんのリンク先を読んで。

 一年前、HJ起ち上げの時、前編集長のM氏がいのまた先生や弘司先生を連れて来たら「時代遅れ」とかさんざん言ってたくせに…… などと思ってしまいました。

 似たような表紙が多いのは、要するに市場が選んだ結果でしょうが。それをほとんど人格攻撃なみの言いよう。絵師さんたちは努力していますし、技術だって低くありません。

 ……などという話は、平和の温故知新さんの方に書くべきなのでしょうが、いきなり喧嘩腰のカキコもどうかと思うので、こちらに書いておきます(笑)
 という訳で、私の言いたいことをほとんど代弁してくれた平和の温故知新さん、これからもがんばってくださいね。

> 少女小説
 何をどう名乗ろうと自由だとは思います。
 しかし、例えば、火浦功先生のスターライトは少女小説で、ガルディーンはライトノベルっていう区分には納得できないものを感じます。

 あと、私はまったくの守備範囲外なので詳しくは語れないのですけれど、ボーイズラブとかはどうなるのでしょうね?

 それから、ライトノベル=少年向けの●×小説ということにしても。
 例えば米澤穂信さんの作品は、ライトノベルに入るのでしょうか。あるいは冲方丁さんのマルドゥックは?

 という訳で。
 そもそもの定義が曖昧なのに、一括りに「最近のライトノベルは……」などと語られても、結局はなんだかよくわからない話になるだけだと思います。

時代について行っているのか?

>さかなやさん
>似たような表紙が多いのは、要するに市場が選んだ結果でしょうが。それをほとんど人格攻撃なみの言いよう。絵師さんたちは努力していますし、技術だって低くありません。
一言で言えば、必要とされる絵の傾向が違うの一言に尽きるんですよね。
ライトノベルはエンタメ小説なので、時代の趨勢を強く受けて当然。元記事では、わざわざ「文章には流行廃りがあるから~」と断ってるのに、なぜ絵の方はそうじゃないと思えてしまうのかが不思議です。結局、「今どきの若いもんは……」という懐古趣味以上のものにはなりえないかと。

>少女小説
仰る通り、ライトノベルの定義自体が非常に曖昧なままなので、この状態で話を掘り下げるとグダグダになってしまう気はします(汗
無理に定義したいわけではないし、自分なりの枠を持っていればそれでいいのかも。イラストが鍵になっていることは確かでしょうけれど……
これについてはうさぎやさんのコメントからいろいろと考えているとろです。

ここでは定義論には深入りしませんが、ただジュヴナイルポルノ及びボーイズラブ小説の二者については、ライトノベルとは区別する考え方が主流のようです。エロがメインのものは、社会的にも隔離されるのが普通なのでこれはまあ当然といえば当然なのでしょうね。

少女小説とラノベ(脱線あり)

確かにコバルト文庫をはじめとする少女向けレーベルを「ラノベ」とは呼べないような気がしますね……。

先日、小学館のルルル文庫創刊の際、過去の小学館の少女向けレーベルについていろいろ思い出したのですが(機会があればまとめてみたいですが……)、その時も自分の中では「少女向けラノベ」ではなく「少女小説」という定義でしたね。

イラストの面で考えると、少女小説の場合、以下の傾向があるように思います(あくまでも私の主観ですが……)

・登場人物のピン立ちはあまりない
・背景がある。ただし登場人物が複数描かれていることが多いため、背景ではなく飾り枠なども使われる。つまりバックが真っ白ということもほぼない。
・内容を連想させる表紙であることが多い(少女漫画の扉絵みたいな感じで)

まあこれらは「少年向けラノベ」で言えることでもありますが。
かつて少女小説のイラストは、イラストレーターではなく少女漫画家が描くこともあったので、こういう傾向になるんじゃないかと思います。
そもそも折原みと、さいとうちほ、田村由美など、少女漫画家が小説を書いたりもしていましたしね。

やっぱり別物に思えますかー

>うさぎやさん
>自分の中では「少女向けラノベ」ではなく「少女小説」という定義
よく考えてみると、自分自身も広く作品を紹介していこうとか考えていないときには無意識に少女小説を別扱いしているかもしれません。
うーん、なぜだろう。一度詳しく分析したいところですが……

>イラストの面で考えると、少女小説の場合、以下の傾向があるように思います(以下略

指摘されるまであまり意識していなかったんですが、確かにカップリングが圧倒的に多いですね。
試しに今月発売のコバルト、ビーンズ、ルルル、ホワイトハートの表紙絵でカウントしてみたところ、31作品中女の子のピン立ちはわずか2作のみでした。
比較として同じく今月発売のスニーカー、富士見F、富士ミス、電撃、ファミ通、ガガガ、HJ、GA、SD、MFでカウントしてみたところ、61作中23作がピン立ち(少年のピン含む)で、明らかな差が見られます。

この辺の差を詳しく調べていくと、ライトノベルと少女小説を無意識に別扱いしている理由が浮かんでくるかもしれません。一度意識調査などしてみたいところですが、もう少し自分自身の見解を煮詰めないとなあ。