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麗しのシャーロットに捧ぐ―ヴァーテックテイルズ

タイトル:麗しのシャーロットに捧ぐ―ヴァーテックテイルズ(小説:富士見ミステリー文庫)
作者  :おぜきしゅういち:尾関修一
絵師  :山本ケイジ
デザイン:?
編集  :?

我々FMR(富士見ミステリー調査班)は、読者からの連絡を受けて、第6回富士見ヤングミステリー大賞を受賞した「ヴァーテックテイルズ 麗しのシャーロットに捧ぐ」の内容について、調査を開始した。そして驚愕の事実が明らかに……
「みんな、聞いてくれ。このヴァーテックテイルズなんだが……内容がホラーかつミステリだったんだよ!」
「な、なんだってー!?」

というわけで。
なんとなんと、富士見ミステリーなのにミステリで、しかもじわじわ効いてくる怖い話になってます。富士ミスなのに、ありえないことです(爆)。
ラブ寄せを信じて知らずに買った読者が右往左往する姿が目に浮かぶようだ……。いわゆるキャラクター小説を読みたい場合には、期待を大きく外されますが、その代りに緻密に構成された急展開、また急展開といった物語の妙を味わいたい方はぜひ! あえて例えると、C★NOVELSファンタジア新人賞作品の雰囲気にもっとも近い……かもしれません。普段富士ミスを手に取らない硬派?な層も、ぜひこの作品は読んでください。いやもう最後の最後まで緊張しっぱなしでした。

実は読む前に、噂には聞いてたんでどんな話なのかいろいろ想像したうえで読み始めたんですけど……予想の遙か上を行ってくれました。たぶんこの作品が佳作止まりなのは、あまりにも作風が本来の富士ミス(笑)からは異質すぎるためでしょう。それを言ったら既に半ばライトノベルからもはみ出しかけてるかもしれません。
なんにせよ、デビュー作でこれですから、今後の活躍が非常に楽しみです。しばらく注意して追いかけてみたいと思います。


この作品の名台詞

「よかろう。ならば汝に選ばせてやる。
苦渋と悔恨に満ちた天国か、それとも悦楽に身を震わせる地獄か――」

→解説


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麗しのシャーロットに捧ぐ―ヴァーテックテイルズ尾関 修一 富士見書房 2007-01by G-Tools

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麗しのシャーロットに捧ぐ―ヴァーテックテイルズ
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