食卓にビールを6
作者 :こばやしめぐみ:小林めぐみ
絵師 :剣康之
デザイン:?
編集 :?
女子高生で人妻で作家で理系オタクで何が起きようとも全然動じない「私」のちょっとおかしなSF的日常を描いた物語。
いつも飄々として、人を食ったような展開で、それでいてけっこうシュールでもあったりする連作短編の数々。
これを読まずしてライトノベル好きを語るなかれ!
燃え燃え展開とかそういうものとは無縁なので多少好みはあるかもしれませんが、未体験なら一度はお試しを。超おすすめ。
このとんでもなく人を食ったようなノリなのに、意外とSFネタは本格的だったりするあたりがまたよいのです。
なんかもうこの「私」は宇宙では無敵の存在なんじゃないかという気さえしてきますね。
宇宙人と遭遇してもまーったく何とも思ってないあたり、この人の精神構造はどうなってるんでしょう。いやはや。
このあふれんばかりの好奇心はぜひ見習いたいものです。さすがにこの境地に至るのは無理ですが(爆)
また、この「私」のお気楽でマイペースな性格がイラストと実に合ってますね。
そして、このとんでもない奥さんを野放しにしつつもそれなりに制御している旦那・江藤総一郎(26)さんもなにげに大物。
えーと、どうやら最終巻みたいです。いつも通りですが。
なお、この巻が、ということではなくシリーズ自体に敬意を表して赤枠認定とさせていただきました。
この作品の名台詞
「なんですか、この、見ていると非常に腹が立ってくるおもちゃは!」
私はビシッとテーブルの上の物体を指した。愛らしいファンシーなウサギが、ゆっくりと首を左右に揺らし続けるおもちゃである。
旦那はタオルを私に投げ返しながら、ウサギ人形を手に取って、
「ゲーセンで取ったの。おかしいなあ、今流行りの癒し系おもちゃなのに。なんで腹が立つわけ?」
「その無意味な反復運動が許せないのです。このスピード時代に無意味でゆっくりした運動をするのは、私の不思議な踊りだけでいいのです!」
「あーあー、自分で言っちゃったよ」
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