セキララ!!
作者 :はなたにとしつぐ:花谷敏嗣
絵師 :京極しん
デザイン:?
編集 :?
第9回エンターブレインえんため大賞<奨励賞>受賞作。
こ、これは……ワナビつまりはプロじゃないけど創作活動経験ある人が読むと悶えて死ねるかも(爆)。
中学生時代に、かなりの盛り上がりの末痛すぎる結末を迎えた同人サイトを作った苦い経験から、そっち系から徹底的に距離を置き脱オタクを成功させつつあるタクミ。そんな彼の元に、当時書いていた『邪王聖戦記』の女主人公がリアルに現われて!?
一見ありがちなネタに思えますが、切り口がちょっとおもしろいかと。
小説の主人公の女剣士が実際に現われてうんぬん、というあらすじだけならこれはもうベタ。
しかし、この作品では中学時代にやってしまったネット上での痛い出来事の方が主軸になっていて、かつそれを鬱になりすぎない程度に適度にコミカルさを加えつつ書かれてます。鬱ではないので冷静に読める……と言いたいところですが、自作小説を自分の小説にアップしていろいろやっていた経験のある人にとってはもう、悶え死ぬしかないような内容です。でもおすすめ(笑)
内容が内容だけに、人によってはちっともおもしろみを感じない可能性もありますが、アレですねツッコミを入れながら読む感覚でなかなかおもしろかったですええ。
この作品の名台詞
「火琉奈は作り物じゃない。作り物だが、本物の人間なんだ」
「言ってることはおかしいですが、言いたいことはわかります。あなたもようやくぼくらの世界に入門してきましたね」
「ぼくらの世界?」
「そうです。こっちはね、作り物こそ本物なんです。作り物を前にしたときだけ心が動くんです。自己表現だって、作り物を介さないとできないんです。
世界を把握している感覚、世界との一体感を得られるのは、作り物の中だけです。見知った場所、知り尽くしている場所を駆けめぐる快感は、作り物の中だけでしか得られないんです。そういう、よく知った作り物の中だけでこそ、ぼくは生きられるんです。
あの火琉奈さんは、『生きた作り物』、そう思っているからこそ積極的に関われるんです。生身の女性だと思っていたら近づく気にもなれません。拓巳さんが女子とつきあっているのをみて、まず単純に尊敬しますよ。よく生身の人間とつきあっているなって」
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