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片手間ヒロイズム

タイトル:片手間ヒロイズム(小説:一迅社文庫)
作者  :こばやしめぐみ:小林めぐみ
絵師  :ゆうきしんいち:結城心一
デザイン:?
編集  :?

えーと、少々説明が難しいですね。

まず読み始めの印象。
あの名作「食卓にビールを」シリーズの雰囲気そのままの、非日常なのに主人公にとっては日常なシュールなSF……でした。
ちょっと恋模様も入ってるけど、まあおまけみたいなものかなーと思っていたのです。

が。
最後まで読んでみたら、(書き下ろしの連作短編形式なのに!)時間ものになっていたという不思議。
そもそも小林めぐみという書き手自体が読者を選ぶ傾向があるんですが、こりゃまたすごい代物ですねえ。私は楽しめましたけど。

わけあって1歳の息子と二人暮らしを送る変わり者の準教授のもとにベビーシッターとして通っている従従姉妹の女子高生・真理。
彼女の身の回りではSF的な非日常事件が起きるんですが、全然動じてません。
異星人とご近所さんの扱いが同レベルで、これがなんとも形容しがたいシュールな感覚を生み出してます。
さりげなーく書かれてますが、なにげにSFとしてのネタは濃いですええ。

問題は中盤以降。
なんか時間ネタが時折出てくるなあと思ったら……いやはや!
あんまりにもややこしいので、図解でもないとよくわかんねー! ですが、おもしろかったです。
恋愛ストーリーとしてもなにげに深く、予想をいい意味で裏切られました。
読み終わってみると、だいぶ食卓~とは違ってますが、おすすめです。……波長さえ合えば(笑)


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