名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

たま◇なま~生きている、日々~

タイトル:たま◇なま~生きている、日々~(小説:HJ文庫)
作者  :ふゆきしのぶ:冬樹忍
絵師  :魚
デザイン:?
編集  :?

宇宙から飛来した鉱物生命体「宝石」の欠片が寄生することによって、常人をはるかに越える能力を持った人間「宝石憑き」。
その中でも、能力を社会秩序を乱す方向に使う者を、社会に溶け込んで暮らしている宝石憑きが狩ることでバランスを保っている……。

そんな宝石憑きの一人、理宇が元が鉱物生命体であるゆえの人間への全くの無知からはじまり、人間の機微や、やがては恋愛感情へと発展していくという、そんな感じの物語です。
今回は日常パートということか、他の宝石憑きとの戦いはなく、ひたすら日常描写を積み上げていきます。

人間のマイナス感情について描写されることも多いこのシリーズですが、正直なところ特別に描写が突出して上手いといった印象は受けません。
ただ、ひとつひとつは小さなエピソードを数多く積み重ねることで言葉では表現しづらい「空気感」を築くのに成功しています。
……というわけで、今回は合宿したり、お祭りに行ったりとまったり感のある日常がすべて。
透と由宇の距離は、今回はあまり縮まったようには感じませんでしたが、そろそろ透の方の覚悟がいろいろ問われてきそうです。


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