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第3回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門＜ガガガ賞＞受賞作。

これはいい青春小説です。
１７歳だった少年が、10歳に戻って人生をやり直す物語。

１７歳のある日、どこかの大学生による自作爆弾の犠牲になって命を落としてしまった少年・八戸鋼一。だが、鋼一はあるゲームの参加者として選ばれ、精神は17歳のままで、巻き戻って10歳から人生を再スタートし、自分が死んだ運命の日までに奇跡の欠片を集めることが出来たら、自分の死は回避できるという……。

鋼一は、奇跡の欠片がどういう代物なのか全くわからないままなので、とにかく後悔のないように、教室の仲間にうまくとけ込むことが出来ずにいるスウェーデンからやって来た美少女・ソフィアや、いつも一人で教室を掃除している少女・とも実、お隣のお姉さんで悩みを抱えているらしい弥宵という、かつて自分が上手く助けることの出来なかった少女達に積極的に関わっていこうとします。

とはいえ、ちょっとだけ普通の10歳よりは経験値を余分に持っているだけで元はただの引っ込み思案。女の子達と交流を持つのも大変なのですええ。
それにしても、年齢を10歳に下げることで、いろんな恋愛絡みのイベントが実に新鮮に映ります。ソフィアやとも実の同級生相手にしろ、弥宵のような年上相手にしろ読んでるこっちまでちょっとしたことですごいトキメキを感じますよ！

個人的には、間違っても弁舌が立つ方ではない鋼一がソフィアや弥宵たちの心をいかにしてほぐし、つなぎ止めるかというシーンで、『身体を張る』シーンが多かったのが印象的でした。なにげに、こういう引き止め方はありそうでなかったと思います。ちょっと斬新なスタイルかも。

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