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インポッシブル・ハイスクール

タイトル:インポッシブル・ハイスクール(小説:MF文庫J)
作者  :かさいしんや:葛西伸哉
絵師  :さとふじまさと:了藤誠仁
デザイン:?
編集  :?

最初に言ってしまうと、敵そのものはすっごい小粒です。
なにこの小悪党……っていうくらいしょぼい。だがしかし!
キャラ小説としてはグッドですね。

なによりも主人公とヒロインの掛け合いがかなりテンポいいのです。
個人的には、ひねくりまくったもはや原形どこにあるんだ!っていうぐらい改変されたことわざの誤用がおもしろかった。
よって、かっちりしたストーリーが好きな人にはおすすめしませんが、逆にその場の楽しいノリが重要だぜ!って人におすすめ。

高校新法で、あまりにも自由なカリキュラムを組めるようになった半面、行きすぎた自治で不正も横行。
それを取り締まるための学生自治組織<キャビネット>の捜査官・秋月凱(まさる)は、「恋愛を授業に取り入れた」高校、清恋学院に潜入捜査を行っていたが、ある日不良にからまれ、目立ちたくないためなるべく穏便にすまそうとしていたところ、自称正義の味方、高校の制服にテンガロンハット、果ては白馬に乗った奇天烈な美少女・春日部弐華が現れ、これ以上ないくらい派手に不良をのしてしまう……。

で、いろいろあって(なんて適当な説明……)凱と弐華は恋人のふりをして、清恋学園の深部まで共同捜査に当たることになるのですが、とにかくこの二人異様なまでに恋愛に対して忌避感が強く、演技も大根。でも、大根なくせに最初から息はぴったりあっているというこのミスマッチ感覚がおかしいですね。

最初に書いたように敵はかなりしょぼいんで、ストーリー展開で白熱することはないんですが、主役の二人の掛け合いをはじめ、自治組織の腹黒事務総長とか、凱の賑やかな家族とかキャラはしっかり立っているんで読んでる分にはかなりおもしろいです。


この作品の名台詞

「だったら、困っている人がいたら助けるのは当然じゃない。それともキミは、目の前でヤンキーに絡まれている子がいても『何か理由があるのか知れない』って放っとくの?」
「う……っ」
「あたしは、そんなチャンスは見逃さない!」
「チャンスかよ!」
「チャンスよ。あたしはカッコいい事が実行できる。困っている人は助かる。誰も損しない。みんなが幸せになる。OK?」

→解説


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