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あるいは現在進行形の黒歴史 ―殺戮天使が俺の嫁?―

タイトル:あるいは現在進行形の黒歴史 ―殺戮天使が俺の嫁?―(小説:GA文庫)
作者  :あわむらあかみつ:あわむら赤光
絵師  :refeia
デザイン:?
編集  :?

中二病な妄想が具現化してしまうという話は時々ありますが、だいたいそういうのはネガティブなとらえ方をされるのが普通です。
ところがこの作品、明るく楽しい中二病作品に仕上がっているので読んでるこっちもいつの間にかその気になってしまうのです。
そんな感じがOKでしたらおすすめ。
なにしろ帯のキャッチコピーが「中二病天国キタコレ」ですからね!

黙っていれば美少女だが、口を開いたら最後「残念」としか言いようのない妹・吉岡楓子。兄である吉岡英二はそんな妹の奇行にいつも振り回されているが、そんな楓子の妄想設定を書き記したノートの内容がなんと現実化してしてしまった!
設定が反映されているためか、能力は半端ないくせにどこかずれている天使達が解き放たれ、殺戮天使に英二は襲われてしまうが!?

とにかく徹底的にコミカルで前向き。楓子は天使が現実化しても「ほんもののマリスたんだあーっ!」とはしゃぐわ、天使達の必殺技などは嬉々として話し悪びれる所など全くなし。おまけに兄は気がついていないが、重度のブラコンで兄にはあはあする始末。産み出された天使達にもやっぱりはあはあするなど、かなりどうしようもないバカな妹だけど憎めませんね。

兄は兄でさんざん妹のことは適当に扱っているように見えて、実はかなり甘かったり、殺戮天使のマリスはいわゆる天然なのか計算なのかがとてもわかりにくいクーデレ。無表情に、でも確実に感情の見える一言一言がこちらの魂をわしづかみですよ!

中二病設定そのものも、妹に暴走させて主人公は押さえ役に回ることによって、好き勝手な設定が乱舞しつつも物語はコントロールされてます。そもそも妹はリアル中二なので妄想設定を垂れ流しても別におかしくはないのです。というわけでなかなかに楽しい話でした。


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from 愛があるから辛口批評! on 木曜, 2010/08/19 - 23:49

あるいは現在進行形の黒歴史 ―殺戮天使が俺の嫁?― (GA文庫) 作者: あわむら赤光,refeia 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ 発売日: 2010/08/15 メディア: 文庫 クリック: 10回 こ...