スワロウテイル人工少女販売処
作者 :とうまちとせ:籘真千歳
絵師 :竹岡美穂
デザイン:?
編集 :?
刊行されたのが6月末なのでけっこう経ってますが……
いやあ、これはおもしろかったです!
電撃文庫で、「θ 11番ホームの妖精」でデビューした作者さんです。その後が続かずどうしたんだろうなーと思っていたら、ハヤカワからよりSF色の強い作品が出ることになったというわけ。
なるほどこれを読む限り、SF色を強く出した作品の方が向いているように思いました。
AIスキーは必見! 単にAIだけの話に留まらずスケールアップしていく魅力もあり、SF好きにもおすすめ。
性交渉によって加速する<種のアポトーシス>。この病の感染拡大を防ぐため、感染者は関東湾にある巨大な自治区に男女別に隔離されて暮らし、人工妖精<フィギュア>と呼ばれる人型インタフェースを労働力や伴侶としていた。そんな人工妖精の一体である揚羽は、自警団の曽田陽介とともに連続殺人犯・傘持ち<アンブレラ>の行方を追っていた。始末してもまた別の場所に現れる謎の多いアンブレラの秘密とは?
最初は単にAIと人の触れ合いがテーマかなと思っていたんですが、そんなぬるいテーマに飽きたらず人工妖精の本質と向き合い、さらにはいつの間にか人という種の存亡が掛かった壮大なテーマへと発展していきます。
こりゃAI好きならまちがいなく転ぶでしょう。例のロボット三原則を拡張して、第4、第5原則を作り、ここから話を膨らませてます。で、話は段階を得て大きくなっていくので話の展開について行けないということもなく、夢中になって一冊読み終えてました。
ううう、揚羽なんていい子なんだ……
個人的には第二部の、アンブレラの成り立ちに関わる話がもっとも気に入りました。ああこれだよ、AI好きにはこういう理屈とかがたまらんのですよ!
というわけで大変楽しませていただきました。
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