名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

彼と人喰いの日常 2

タイトル:彼と人喰いの日常 2(小説:GA文庫)
作者  :かみさかねこ:火海坂猫
絵師  :春日歩
デザイン:?
編集  :?

いじめを受けていた主人公を救ったのは、人喰いの妖・黒衣。意図せず契約を交わしてしまった主人公は、毎月一人誰かを指定して彼女に喰わせないといけない……

コンセプトが思いっきりダークです。
苦悩しながらも、それなりに自分の中での一線を頑なに守り続ける主人公・十夜もなかなかの逸材ですが、なんといっても十夜を主とした妖・黒衣の人外っぷりが素晴らしいです。あっさり主人公に感化されて正義の味方っぽくなる妖がラノベ(に限った話じゃないですが)では多い中、人外である黒さがにじみ出てます!

さて2巻では、退魔省の依頼を受ける形で、一人の少女の調査をすることに……

退魔省からはとりあえず条件付きで泳がされている十夜と黒衣だが、そんな二人を明確に敵とみて、殺意を燃やす退魔省の職員・因幡朱音から狙われ、田中の取りなしによって連続殺人を行う妖刀使いの調査に協力することになったが……。

容疑者は同じ高校の後輩の少女。さあまた殺伐とした雰囲気がぷんぷんですよ?
でもまあやっぱり見所は、黒衣のうさんくさい言動に尽きますね。これぞ妖。完全に主の一挙一動を観察して楽しんでますね。結果なんかどうでもいいというこの態度にやられるわー。


この作品の名台詞

「調査を始めた後に被害者が出た……それよりも早く解決していれば出なかった犠牲者だ。それがお前の沈黙の結果なら許すわけにはいかねえ」

「わしの知った事ではないの」
「人の生き死になどわしには大した問題ではない……忘れたか? わしは化物じゃぞ?」
「そもそもわしが何かを語ったところでお主はそれを信じるのか?」

「…………」

「わしは確かに主と契約でその命には従わねばならぬが…………それ以外の制限を掛けられておるわけではないしの。故に主が望まぬ限りは助言をする義務もない。尋ねられれば答えもするが、尋ねられなければこちらから何か言う必要もないわけじゃ」
「そこまで言うのならお前が最低とさげすむ我が主を呼び戻して懇願したらどうじゃ」
「どうかわしが全てを話すように命令して下さい、とな」

「……」
「いつか必ずお前は殺してやる」

「返り討ちにならぬとよいな」

→解説


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