名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

福音の少年 放課後のアポストロス

タイトル:福音の少年 放課後のアポストロス(小説:徳間デュアル文庫)
作者  :かじなおたけ:加地尚武
絵師  :中臣亮
デザイン:?
編集  :?

ハレー彗星と共に悪魔がやってきて、世界に魔法をもたらしその時から世界は魔法を中心に動くようになった……そんなif世界で、ろくな自覚もないまま世界最高位の魔法使いとなってしまう少年・恵と、ホムンクルスの少女アナ、少年の家に修行のためにやってきたことがきっかけで気がつけば恵と切っても切れない仲になった魔女エリカを中心としたファンタジーです。
ちと前巻は正直イマイチ盛り上がりに欠け、そして今回いきなり変なオタク少年の話から始まった時は「どうなるんだこれ?」と思いましたが、いやいやいい出来でした!

やっぱり普通ならもろ脇役になるタイプの人物を書かせると実に味のあるよく動くキャラクターを送り出してきますね、この作者は。
普通ならウザくて典型的悪役かもしくはやられ役になりそうな拓哉が妙に存在感のあるキャラとなっていて、憎めません。(いやそれでもやっぱり性格の悪い駄目オタクだとは思うんだけどね?)
地味を絵にかいたような少女・香織(ただし表紙に抜擢)も、恋する少女パワーは強かった!という感じ。
あとやっぱり青い性表現の生かし方が実に巧みだなあ……ファンタジーとして楽しめるのはもちろんですが青春小説としてもグッド、ですね。


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