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秋期限定栗きんとん事件 下

タイトル:秋期限定栗きんとん事件 下(小説:創元推理文庫)
作者  :よねざわほのぶ:米澤穂信
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

小市民を目指して、互恵関係を築き傍目からは恋人同士のように見えている小鳩くんと小佐内さん。二人が日常に起こるちょっとした事件を解決に導く日常ミステリです。
人の良い笑顔を振りまきつつも実はかなり小賢しい狐の本性を持つ小鳩くんに、虫も殺さない内気でかわいらしい女の子……に一見思えるけれどその実態は相手の隙にガブリと噛み付く狼の本性を持つ小佐内さん。なんとも個性的な二人による推理が冴え渡ります。
あと、タイトルにいつもお菓子を冠するだけあって、食べ歩きシーンが実に魅力的で、読み進むほどにスイーツが食べたくなりますよ!

で。日常ミステリとして非常におもしろい作品なのはもちろんなのですが、小鳩くんの小佐内さんの互恵関係がどうなってしまうのか!?も注目点。なにせ上巻ではお互い新恋人を作っちゃいましたからね。

上巻のはじまりからして驚愕ものでしたが、上巻のラストでもなんかお互いの新恋人関係が不穏な感じになって、いったいどうなっちゃうんだ!?との想いはいやがうえにも高まります。
連続放火事件の行方も気になるところですが、やっぱり二人の関係は一番気になるところでしょう。まあ読んでのお楽しみですが……
やっぱり小佐内さんはとんでもない狼だよ! この人敵に回したらボロぞうきんのように叩きのめされるよ絶対! うわあああああああ。

しかし、半ば予想していたとは言えこの結末だと、どう見ても二人が小市民になるのは無理っぽいですね。
うーん、今からいったい冬期限定が楽しみです。ところで冬限定のお菓子ってなんでしょうね。はて?


この作品の名台詞

「だけどわたし、失望したとは言わないの」
「そんなことだろうと、思っていたのよ」

→解説


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from monumenta librorum on 土曜, 2009/04/11 - 19:43

高校生が主人公のミステリー。これで三作目になるが、今回は連続放火事件がテーマになっている。といっても、ラブコメ的な展開の占める割合も高い。ミステリーとしては、大体、犯人...

from 藍麦のああなんだかなぁ on 木曜, 2009/03/12 - 00:23

「秋期限定栗きんとん事件〈下〉」米澤穂信創元推理文庫 ISBN:978-4-48