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烈風の騎士姫

タイトル:烈風の騎士姫(小説:MF文庫J)
作者  :やまぐちのぼる:ヤマグチノボル
絵師  :うさづかえいじ:兎塚エイジ
デザイン:?
編集  :?

男装の美少女、騎士を志す! これはおもしろい。

ストーリーとしては、王道ファンタジーで突飛な展開があるわけでもないんですが、台詞の使い方とか読みやすい文章とか、無駄のないストーリー運びとかそういうものが合わさってこのおもしろさを形作ってるんでしょうね。

ゼロの使い魔と同一世界観で物語が動いてますが、あっちは一切知らなくていいような構成になってるので、ヤマグチノボル初読みとしてこの作品から入ってみるのはいかが?

負けず嫌いだが臆病な少女・カリーヌは、幼い頃に騎士に命を助けられたことから、女だてらに騎士を志す。女では入れない魔法衛士隊に入るため、男装してカリンと名乗り、田舎から王都に出てきたが、その負けず嫌いと美貌がトラブルを呼び、いきなり決闘する羽目になってしまったカリンの前途は険しい!?

カリンのキャラクターがいいですね、魔法と剣の才能は豊かだけど、まだ若いため経験が圧倒的に足りない。だから、強いように見えて脆さも目立つ。
そして男装しているから、女であることを隠すのもけっこう大変なわけで……。こういうもろもろの部分の描写がすごく魅力的なのです。

で、ゼロの使い魔の読者には時折、聞き覚えのある国名や名称などが顔を出すのでなんだか得した気になれます(笑)
ただし前述したように、別にその知識がなくても普通に読めるように書かれているので未読な方でも心配は無用。


この作品の名台詞

「断る」
「なんだと?」
「この杖を捨てたら、ぼくはぼくでなくなる。だから断る」
「死にてえのか!」
「それも断る」
「言ったろうが! 銃のほうがはええんだよ!」
「お前の弾など当たらぬ」
「この距離で外すわけがねえだろうが! おりゃあこれでも傭兵だ! 飯の数より、ぶっ放した弾の数のほうが多いんだぜ!」
「絶対に当たらぬ」
「お前さん、バカか!」
「ぼくには夢がある。その夢をかなえるまでは、ぼくは絶対に死なない。なにがあってもだ。だからお前の弾など当たらんのだ。とにかく心をこめて撃つんだな。何発撃ったのかは知らんが、その弾が、お前の人生最後の弾だ」

→解説


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from お亀納豆のライトノベルまっしぐら on 水曜, 2009/12/09 - 23:12

著:ヤマグチ ノボル イラスト:兎塚 エイジ
「なんとかなるよ」
「どうして?」
「おれたちには、“風”がついてる」
約一ヶ月二週間半の積み。MF文庫J。『ゼロ使』でお馴染みのコ...