名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ロケットガール4 魔法使いとランデヴー

タイトル:ロケットガール4 魔法使いとランデヴー(小説:富士見ファンタジア文庫)
作者  :のじりほうすけ:野尻抱介
絵師  :むっちりむうにい
デザイン:?
編集  :?

「ロケットに乗せるなら小さい方がいい」「スキンタイト宇宙服で万事解決」
そういうコンセプトから生まれた、(元)女子高生が宇宙飛行士として活躍するSFです。
この作品の重要なところは荒唐無稽な設定ではなく、物語としてアレンジされてはいるけれど基本的には「実現出来る可能性が十分ある」というところ。
ロケット打ち上げをわくわくして見守るような人が未読なんてありえない!と言っておきます。
先頃、MITで実際にスキンタイト宇宙服が開発中とのニュースもあり、ますます荒唐無稽とも言えなくなってきましたよ?
最近ハードSFから遠ざかっていたこともあって、久々にSF分らしいSF分を補給した気分です。

アニメ化のおかげで、お蔵入りする可能性のあった短編がサルベージされ、あと書き下ろしも追加になってます。
やはりこのシリーズについては、一見無茶の極みのようでいて、かなり念いりに実現性を検討した上で描写されたシーンの数々が見物かと。
特に最後の話なんかは「おいおいおい」と思ったけど、あとがきを見るとまるっきり夢物語とは言えないのかも……


この作品の名台詞

「甘ったれんじゃないよ、少年!
親のいないのを切り札にすりゃ、こっちが言いなりになるとでも思ってんの? いないものはいないんだ。誰にもどうにもできないんだよ!」
「な……んなこと、言っていいのかよ」
「言えるわよ。ためになることだからよーく聞きなさい。自分の不幸が売り物になるのは子供のうちだけなんだ。あんたが大人になったら、自分で生きてくしかないんだ。親がいようがいまいが関係ないんだ。
これからあんたが考えなきゃいけないのは、何になるかってことなんだ。どんな仕事につくか。あこがれるだけじゃだめ。妥協するのも早い。望む仕事につくためには何が必要か、よーく考えて実現してくんだ。
仕事についたからって、まだゴールじゃない。ここは俺にまかせろって言えるだけの腕を磨くんだ。親なんてどうせ先に死ぬんだ。いい人生を送れるかどうかは、結局仕事で決まるんだよ」

→解説


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