名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

カッティング3~Case of Mio Entanglement~

タイトル:カッティング3~Case of Mio Entanglement~(小説:HJ文庫)
作者  :はねだだいすけ:翅田大介
絵師  :も
デザイン:?
編集  :?

まずはネタバレなしで。
リストカット少女と、自分の立ち位置が見えずに戸惑う少年のボーイミーツガール。
1巻と2巻で主人公が変わっていたので、てっきりこのままオムニバス形式で進むと思ったら……
なんと、1巻のカップル、カズヤ&ミオのラブラブバカップルな話になってました(爆)
万が一、2巻で止まってる人は、このバカップルのためだけに読む価値はある!とあえて断言します。

実はこの物語、ただリストカット少女を扱ってるわけではなく、そこに至る理由がちゃんと存在ます。
以下にちょっとネタバレしますので、真っ白な状態でシリーズを読みたい方は回避を。

いいですか?

これに出てくるミオを初めとするヒロイン達は、諸事情により一度死んでいます。
死んだはずが、脳の全記憶を別の肉体に転写されて、再び生き返ったという設定です。
そういう極めて特殊な経験をした結果、自分の生に実感が持てずリストカットを繰り返すわけですね。
だからどこかドロドロとした部分があります。
しかしまあそれはそれとして、1巻で紆余曲折を経た上で、お互いなくてはならない存在になったカズヤとミオ。
もうなんていうかね? 「ごちそうさま」という他ないベタ甘なんですが! 当人達に自覚がない分よけい悪質(笑)

そしてラストにはとんでもない引きが……どーすんだこれ。


この作品の名台詞

「あなたのこと、多少は知っています。相坂カズヤさん。あなたは見た筈ですよ? 西周ミオさんの死と再生を。彼女を殺した西田貴流を。その最後も。
なのに、なんであなたは”彼女”と一緒に居るんです? 怖くないんですか?」
「……怖いさ、ミオと一緒に居て、不意に嫌な思いに囚われることは、一回や二回じゃない」
「なら、何故?」
「好きだから。ミオが怖いし、"彼女"が何なのか、未だに分からない。けど、好きなんだ。どうしようもなく。どうしようもなく一緒にいたいと思うから。それだけだよ。僕を支えているのは、ただそれだけだ」
「……
……あなた、気障って言われるでしょう?」

→解説


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