名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

Gunning for Nosferatus 此よりは荒野

タイトル:Gunning for Nosferatus 此よりは荒野(小説:ガガガ文庫)
作者  :みなかみともひろ:水無神知宏
絵師  :maruco
デザイン:?
編集  :?

もう、まんまファンタジー世界で西部劇!
銀の弾丸でしか殺せない不死の怪物が出てきますが、基本的な枠組みはまるっきり西部劇。
流れの女無法者とかいやもう燃える燃える!
んでもって少年の成長物語でもあります。

主人公で保安官補佐のアランは、登場当初はへぼいだけのほんとにどうしようもないクソガキ(爆)
言うことや考えていることばかり頭でっかちで全く腕は追いついてない上に、とんだチキンハートなのでただのお荷物状態。
それが、幾度にも渡る人狼やその他の化け物の襲撃に立ち会って、修羅場をくぐり抜けさらにはアウトローであるステラの、口ではボロクソ言われながらも実はけっこう親身な指導の甲斐もあって、終盤にはすっかり成長した一人前の保安官として敵と戦ってます。
まことに由緒正しき成長物語であり、同時に弾が右へ左へと飛び交うガンアクションとしても正統派。
ステラの神業な抜き撃ちは爽快です。

読み終わってあとがき(というか解説)を読んで、作者の人がその昔に富士見ファンタジアで「装甲戦闘猟兵の哀歌」を出した、と書かれていてようやく一本のラインで繋がりました。おお、そういえば遊演体の人じゃないですか! 作者名を適当にしか見てなかったから気がつかなかった!
うーん、エロゲとラノベ業界、遊演体出身者の多いこと多いこと……今にして思えばなにげに才能の宝庫だったんだなあ、とおっさんトークを繰り広げてみます。若い人は今の話はスルーしてくださいええ。


この作品の名台詞

「お前が腰に下げているのは空き缶を飛ばすオモチャじゃない。人を殺すための道具だ」
「そんなのわかって……」
「お前、丸腰の人間が撃てるか? 無防備な相手を背中から撃ち殺せるか?

引き金を引くのなら相手は必ず倒せ。不意を突け、後ろから撃て、相手を油断させろ、敵には抜かせるな、弾に余裕があるなら二発撃ち込め。確実に止めを刺せ。敵に情けをかけようなどと考えるな」
「必ず、殺すんだ」

→解説


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