名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

勇者と探偵のゲーム

タイトル:勇者と探偵のゲーム(小説:一迅社文庫)
作者  :おおきれんじ:大樹連司
絵師  :きとうもひろ:鬼頭莫宏
デザイン:?
編集  :?

《日本問題象徴介入改変装置》が次々に物語を生みだす街が舞台。
この街で起こり、解決される出来事はすべてが日本の抱える諸問題の象徴となる。
勇者がUFOを撃退すると防衛法が整備され、探偵が妊婦殺人事件を解決すれば、出生率が上昇する。
しかし、そんな中で一人の少女の死が波紋を呼び……。

うーむ、これは……。プロローグ部分と序盤以降と、さらにオチでかなり印象が違いますね。
メタ的な作品なんですが、着地点が微妙に斜め上。
セカイ系とか、中二病の揶揄とか、物語の構造とか、そういうのが好きな人向けかも。

メタ的な描写がされているからか、ストーリー展開自体は淡々としていて、読んでて熱くなったりということはほぼありません。
さらに、ライトノベル的な物語を揶揄する意図的なものだというのは一目瞭然ですが、作中作は読むのが辛かったですええ。ああそうそう、勇者役の疾風寺舞はもうまるっきりKanonで魔物を狩る誰かさんそのものでした。

ぶっちゃけ、普通に物語を楽しみたい人にはおすすめできませんが、セカイ系大好物な方には一読の価値はあるかと。
ただし注意点として、物語構造をきちんと理解する前の最初の20ページあたりが半端じゃない読みにくさです。正直に白状しますが、読むの止めようかと思ったくらい(苦笑)
なので、手を出される場合はなんとか序盤はがんばって気合いで乗り切ってください。


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/3780
from monumenta librorum on 日曜, 2010/01/03 - 10:34

ある特殊な都市で、勇者か、探偵が何かを倒したり、解決すると、日本の問題が解決することになっているというかなり捻った設定の話である。そこで、ある少女が事故死したところから...

from わたしは趣味を生きる。[ラノベ・音楽中心] on 金曜, 2009/06/26 - 16:08

<日本の問題>を現実の怪獣や殺人として表し、それを勇者や探偵が退治・解決すること