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夏海紗音と不思議な世界1

タイトル:夏海紗音と不思議な世界1(小説:富士見ファンタジア文庫)
作者  :なおえひろと:直江ヒロト
絵師  :みずさわみもり:水沢深森
デザイン:?
編集  :?

第21回ファンタジア大賞<読者賞>受賞作。

一言で説明すると海洋冒険小説です。
ストーリーとしてはしごく王道。
というか、奇をてらった部分はほぼ皆無なんですがこれが妙に心地いいです。
キャラがいきいきと動いてますね。

平凡な毎日を送っていた少年・凪沙悠馬は、ある日学校の登校途中に、公園で「探検隊員募集中」という奇妙な看板を掲げた少女と出会う。その少女の名は夏海紗音、彼女の勧誘に興味を持って、とりえあず見学に行くと、街にないはずの海にたどり着きそこで大きな帆船を見せられる。
その足で学校に行こうとすると……学園には誰一人知る人がいなくなっていた。そのうえ、自宅のあるべき場所にもその隣も、すべて知らない人間が生活している。いつの間にか悠馬は、紗音が自らも自覚していない「引力」によって、重複世界に引き込まれていたのだ!

とまあ、そんな導入で、要は重複世界の日本で帆船を駆って幻の島を目指して航海するというストーリーです。ストーリーなどはものすごく素直。ラノベっていうか、ノリとしてはむしろ児童文学の方に近いかもしれません。(これはたぶん一冊読み終わると納得してもらえるんじゃないかと……)

必要十分に恋のときめきとか青春っぽい部分はきっちりあるけど、執拗に狙った萌えはないからかな。これ若年層はもちろんですが、むしろ枯れた読者に安心して読んでもらえる一冊かも。


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