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第五回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作。

最初に断っておきますが、この作品、新人さんが書いていることもありいろいろと惜しい部分も目立つ作品です。前半ではコメディちっくに展開していたのに、後半は完全にシリアス一辺倒でどちらで押すのか定めきれていなかったり、主人公が抱える秘密……というか謎が最初から読者には丸わかりなのに、長いことその真相を伏せたまま引っ張り続けるので見ていて非常にもどかしいなど。

しかし、そういうマイナス要素をおいても読後感はなかなかよかったし、まだ伸びしろはあるのでは？と感じさせる作家さんだったので、おすすめとして紹介させていただくことにします。

妖怪とか、田舎の伝承とそんな感じのお話。

女子の二の腕を舐めてしまい、田舎の学校へと転校させられることになった中学生・西遺大豪。そんな彼の転校先は一風変わった生徒たちが集まる学校で、いきなりとなりの席の少女・喪庭ここめに指を吸われてしまう。さらに、村人たちから「垢舐」という妖怪扱いをされてしまい、徐々にむらのおかしな点が目につく大豪だが……。

前半のコメディ展開、後半のシリアス展開が乖離している印象が強いのですが、個々のエピソードやキャラはなかなかいいものを持っています。できれば、どちらか一方に注力したほうがよかったのでは、とは思いますがこれはこれで。続編よりも、できれば作者のより洗練された新作を読みたいところです。

まあ、さらにいえば書き出し一行めのパワーを維持できれば最高でしたが！ なにせ「女子の二の腕おいしかったです」ですからね！

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