名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

TOY JOY POP

タイトル:TOY JOY POP(小説:HJ文庫)
作者  :あさいらぼ:浅井ラボ
絵師  :柴倉乃杏
デザイン:?
編集  :?

なにもせず、だらだらと無目的に集まって他愛もない無駄話をするサークルメンバー5人の日常を描写したまったり系の小説……などと思ったら足元すくわれますよ?
はいはい、まずは作者名を確認してくださいね。浅井ラボとあります。
その、あの「され竜」の人です。
1冊で(たぶん)読み切りなので、入門編としてはちょうどいいかもしれません。物語もたぶんそれなりです。それなりというのは……うん、まあ読んでみれば分ると思います(ぇ
万人にすすめるにはちょっと作りが偏っているのですが、こういう話は大好きですね。

多人数視点からの一人称形式ですが、序盤はきわめて饒舌系でだらだらと話が進みます。
ところがそのうちに変なスイッチが「ぱちん」と入りまして……あとは読んでのお楽しみ。予想通りとも言えるし、そうでないとも言えますが、読んでて途中で飽きることはないはずです。


この作品の名台詞

「なにか必ず理由があって人はなにかをする。いつか究極の科学だか数学だかで世界が説明できる。それはダメな男の子が夢想する、整然とした演劇のような世界。だけどそんなものはないし、永遠に来ない。前提として、いついかなるときでも理路整然とした世界なんてありはしない。偶然が重なり、ものごとは唐突に起こる。そして解決も納得もないままに流れ、エントロピーは増大していく」
「革命は起こらないし、大逆転も起こらない。輝かしいこと恐ろしいことがあったとしても、自分と関係のない場所でいつの間にか始まり、いつの間にか終わる。画面の向こうで、誌面の向こうでな。ここは平坦で退屈で、変化のないダルい世界。そこではダメな人間はいつまでもダメなまま。私たちは英雄や成功者どころか、失敗者や大犯罪者になることも難しい。何者にもなれはしないのだ」
「男の子は、おまえはそんなつまらない自分と世界に耐えることを覚えるべきだ。退屈と狎れあうのではなく、退屈を飼い慣らすべきだ。どこまでいてもすべてはダルいということが大前提とすべきだろう」

→解説


「大丈夫だよ。大友君は頑張って勉強して、いい大学行っていい企業に入って、高いお金で奥さんを買えばいいんだよ。お金があるってのは、ひとつの取り柄だからね。真央にはお金は単なる道具にしか思えないけど、大友君本人はともかく、お金だけなら好きになってくれる女の人も、きっとどこかにいるよ。ダイジョーブ。ちゃんとお金があれば我慢してくれるような、いい奥さんが買えるよ。お金がなくなると出ていくからリースかな」
「お金、俺じゃなく……?」
「だってさっきも言ったように、大友君は大友君自身の話はしないというか、できないでしょ?
あのね大友君、よく考えてみて。自分が女の子だとして、自分みたいな男を好きになれる? 愛せる? セックスできる?」

→解説


「フク、そろそろ死ねば?」
「言葉って暴力だよね」
「なんにしろ、これで私の勝ちだ。今日のSIMIRIAでの奢り確定」
「金品を賭けてはいけないと法律で決まっています! 正義よ、レノーン!」
「自分から賭けを言い出しておいてすごい言い草だ。あなたはこちらのアホですか? それともこちらのバカですか?」
「正直に言えば、鉄の斧を返してくれるとかないの?」
「頭に刺してなら返してやるが?」
「わー逆の意味で優しいね」

→解説


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/605
from 人文天文人の不定記@はてな on 日曜, 2007/05/06 - 21:49

上記の古本屋――最寄りのBOOKOFFにて。 空想科学読本5 作者: 柳田理科雄 出版社/メーカー: メディアファクトリー 発売日: 2006/07/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) TOY JOY POP 作者: 浅井ラ...

from ラノベ365日 on 木曜, 2006/09/21 - 02:02

TOY JOY POP浅井 ラボ 柴倉 乃杏 ホビージャパン 2006-08-29by G-Tools 【福沢礼一は退屈だった。「フク、そろそろ死ねば?」「言葉って暴力だよね」。ただひたすらに駄弁るだけの5人の男女。彼...