名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

うぶこい~初恋成就戦争なんだからねッ!!~

タイトル:うぶこい~初恋成就戦争なんだからねッ!!~(小説:ZIGZAG NOVELS)
作者  :?
絵師  :屡那
デザイン:?
編集  :?

作者は、うぶこい応援委員会 (児玉新一郎、紫はすみ、わかつきひかる)。
ここでジュブナイル・ポルノを少しでも知っていればわかつきひかるという名前に反応したでしょう! 一般小説初挑戦とのことで、私もそれで興味を覚えました。(たしかわかつきさんの著作は過去一冊だけ読んでたはずだけど、ぶっちゃけ超とばし読みだったので全然内容を憶えていないのです……)
この名前に反応できる人は買っておいて損はないです。わかつきさんの担当エピソードは私も気に入ってます。

内容は三人がそれぞれ違うキャラクターを担当しての連作短編(中編?)形式のラブコメです。
ヒロインは複数で男は一人。いわゆるギャルゲ-方式とでも言いましょうか。
五人の少女が突然現れた天使(みたいな謎の生物)から、ある少年を災厄から救うために少年の初恋を手に入れなければならないと言われ……というあらすじです。

基本的にまいじゃーでは中身には踏み込まないことにしてますが、私自身これについては言いたいこともあるし、あえて感想を書きますのでネタバレとか嫌いな人は以下は読まないようにご注意を。

さて、実際読んだ感想ですが……
なかなか悪くないエピソードもあるが、天使いらない。
今作では天使はかなり作品に深く関わり、その謎に向かって物語も収束していくようになっているんですが……天使がいるために、逃げ道が出来てしまっている感じ。せっかくの恋のやりとりに横槍感があるのがどうも読んでてひっかかります。
一人で悩んで友達に悩みを打ち明けて、そして一歩ずつ前に進む……という過程が、天使がよけいな口出しをするのでなんか興ざめしてしまうんですよね。まあこれは私のごく個人的な見解ですが。
男に関しては、ギャルゲにありがちな「なんでこいつがもてるのか理解不能」という嫌なキャラではないので安心してください。死ぬほど鈍いけど。
そういう事情があるので、天使の存在意義が薄い、ツンデレお嬢様の第三話(わかつきひかる担当)と孤高な図書副委員長の第四話(柴はすみ担当)の方が読んでいておもしろかったです。この2話はかなりおすすめ。

そんなわけで、一冊通しての評価には少々微妙なものがありますが、個別エピソードはけっこう気に入ってるのでとりあえず次が出たらまた読もうと思います。なお設定については私自身がピンとこなかっただけで、特に気にならない方もいるかも……という点と、なにより気が付いたらけっこう何箇所にも名台詞用の付箋を貼っていたという結果を考えて、おすすめをつけることにします。


この作品の名台詞

「榎本くんは今から私の下僕じゃないけど、私の大事な何かなの」

→解説


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from monumenta librorum on 日曜, 2006/09/17 - 21:01

ある少年を救うために、五人の少女が天使からお願いされて、少年にアタックするという話。と言うわけで、ヒロインは五人だが、作者は三人で、わかつきひかるだけ、一人を担当し、...