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下ネタという概念が存在しない退屈な世界

タイトル:下ネタという概念が存在しない退屈な世界(小説:ガガガ文庫)
作者  :あかぎひろたか:赤城大空
絵師  :霜月えいと
デザイン:?
編集  :?

第6回小学館ライトノベル大賞ガガガ文庫部門優秀賞受賞作。

あらかじめ褒め言葉ですと断った上で……
これはひどい。

これは、ひどい。(大事なことなので二回言いました)

表紙が既に言い訳の聞かない暴走ぶりですが、本編も好き放題暴走してます。
タイトルに『下ネタ』などと堂々といれてくる時点でお察しの通り、全編そんな感じです。
ぺらりとめくったカラー挿絵はあの有名な「民衆の導く自由の女神」をモチーフにしてますが、革命する内容は推して知るべし。

バカ。とにかくバカ。突き抜けぶりが見事です。赤枠オススメ!
実際に読んでみればわかりますが、ただの出落ちというわけではなく、キャラ立ちなどラノベとして大事な部分がきっちりしているからこそのおもしろさですね。

舞台は16年前に「公序良俗健全育成法」成立によって、性的な言葉が喪われた日本。そんな日本の中でも有数の風紀優良校に入学を果たした主人公・奥間狸吉は、入学初日に、登校中<雪原の青>と呼ばれる下ネタテロリストに遭遇、危機を救われたかわりに弱みを握られ、下ネタテロ組織「SOX」に入ることを余儀なくされる。一方、憧れの生徒会長・アンナ錦ノ宮に誘われ、生徒会にも属することになり、狸吉の明日はどっちだ!?

繰り返しますが阿保です。
設定は冷静に考えればツッコミどころ満載の内容なんですが、勢いで納得してしまうだけのテンポのよさを持っています。
各キャラもきちんと特徴づけられ、無駄がない。展開も予想がつかない。もちろんイラストパワーも相乗効果を生んでいることは言うまでもなし。パンツが主題というわけではないんですが、歴代パンツラノベに並ぶ栄誉を手にしたといっていいでしょう。

なにせ話の内容が内容だけに、下ネタばっかりなので真面目なストーリーじゃないと耐えられない人には決しておすすめしませんが、そうでないのならこれはもう読むしか!


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from 海猫の棲む入り江 on 火曜, 2012/08/07 - 12:28

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