名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

アニソンの神様

タイトル:アニソンの神様(小説:このライトノベルがすごい!文庫)
作者  :おおいずみたかし:大泉貴
絵師  :のん
デザイン:?
編集  :?

ドイツからやってきた交換留学生をボーカルに、アニソンバンドを結成して文化祭でライブを!というアニソンを軸とした青春小説。
これは……魂に来ました。赤枠オススメします!
自分の場合、作中で扱われているアニソンほぼ全曲が脳内再生されて臨場感がものすごかったというブーストがかかってはいますが、それを抜きにしても十分にすばらしい青春小説でした。

ドイツから館陽高校に交換留学生としてやってきた少女エヴァ・ワーグナー。エヴァは、アニソンが大好きで、夢はアニメ大国の日本でアニソンバンドを組むこと。さっそく、バンドメンバーを獲得するために、積極的に勧誘をはじめるエヴァは、夢に溢れていた……。

前向きに、気持ちよく読めるすてきな青春小説でした!
アニソンを心から愛するエヴァの情熱に、他のメンバーも感化されていく様子がいいです。クライマックスの文化祭でのライブシーンは、たとえ該当のアニソンを知らなくても盛り上がれる熱さを感じました。もちろん知っていたら、その臨場感はかなりやばいと思います。
電車の中で読んでいたこともあってさすがに実行してませんが、これはぜひ再読してその際には該当のアニソンをかけながらごきげんに読みたいですね!

うーん、アニソンの神様はきっといるに違いない。


この作品の名台詞

「昔から本当に歌うのが好きで……。アニソンを歌うのも、教会で讃美歌を歌うのも、わたしにとってはどちらもおなじでした……。わたしにとって歌は祈りなのです」
「祈り?」
「ハイ。神様に届けるための歌。誰かのために捧げる歌。
幼い頃のわたしにとっての神様は、天におわす遠い遠い存在でした。みんなを守る唯一の存在。だけどわたしに日本のアニソンを教えてくれた方が、言ってくれたんです。日本には八百万の神様がいると。神様は遠い存在ではなく、もっと身近にいるのだと。その考えがわたしには衝撃で……世界が一変したような気さえしました。

だから、わたしは考えました。
讃美歌が天の父に捧げるためにあるように。
アニソンもまた、どこかにいる神様に捧げるためにあるのではないかと」

→解説


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