名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

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07/06/04 - の記事

本日の名台詞

異常な事件が起こったからといって、自分まで異常になる筋合いがどこにある? 無力な容疑者の拷問を正しいと思えとでも? ふざけんな――断固たる拒否。
脳裏をよぎる思い――生まれつき手足を開けず、地面に這いつくった幼い自分。
そのとき自分にとって世界は拷問だった。何もかもが四方にそびえ立ち、いつ踏み潰されるか分からないという恐怖をもたらした。心を殺されそうになるほどの恐怖――果てしない怒り。
殴られるのと同じほどの実感――理屈抜きの。あたしは拷問が嫌いだ。そんなのは大嫌いだ。あんな不愉快なもの二度と見せられてたまるか。連中がまたあれをやろうってんなら、そのときは相手が誰であるかに関係なく、ぶっ潰してやる。ユーリーとその仲間たちがへこたれるだけの戦争をあたしが起こしてやる。くそったれ。


タイトル:オイレンシュピーゲル 2(小説:スニーカー文庫)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :白亜右月
デザイン:?
編集  :?
キャラ :涼月 (152 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

すいません、またしてもオイレン・シュピーゲルから。だって好きなんですよー!
かなり独特な文章から繰り出される燃えに燃えるアクションSFです。詳細は書影クリックで。

さて、台詞解説です。
自分の目の前で拷問を許してしまった自分に憤って、自らの境遇とも照らし合わせて二度とはさせないと誓う涼月。割と抑えめとはいえ、この台詞にも独特なリズムのいったんが表われています。

オイレンシュピーゲル 2

タイトル:オイレンシュピーゲル 2(小説:スニーカー文庫)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :白亜右月
デザイン:?
編集  :?

1巻より燃え度アップ!
深刻な体の障害を、自分の体のほとんどを機械化することで克服し、その潜在的な特性から特甲児童として治安維持のために強大な武力を携えて戦う物語です。
「マルドゥック・ヴェロシティ」シリーズで確立された、独特のリズムで繰り出される文と重厚なストーリー展開が魅力。

吸血の季節

タイトル:吸血の季節(小説:スーパーダッシュ文庫)
作者  :さうらしゅんいち:砂浦俊一
絵師  :kyo
デザイン:?
編集  :?

さて、この物語は自分を含め未読の方はほぼ100%勘違いしていると思いますが……
この作品で扱っているのは「吸血鬼」ではなくて、「吸血病」です。気になる方はwiki参照のこと。
よって内容としては、伝奇ものではなくてサイコもの、もしくはサスペンスものになります。
後は百合成分かな。