名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

こもれびノート

タイトル:こもれびノート(小説:HJ文庫)
作者  :しやけゆうな:しやけ遊魚
絵師  :葛西心
デザイン:?
編集  :?

第3回ノベルジャパン大賞<奨励賞>受賞作。

毒舌会話劇がそのすべてと言っても過言ではありません。
両方読んだ人なら99%は連想すると思われるので書いてしまいますが、『化物語』の阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎの会話の応酬が好きな人は間違いなく買いでしょう!

口を開けば悪口雑言シモネタのオンパレードである少女・久玖瑠こそが物語の肝。主人公は哀れな生け贄。どれだけ反論しようとも最後には言い負かされる運命が待っているのです。
主人公は背景にけっこう重いストーリーを背負っているんですが、そこはあえて触れません。個人的には添え物という感覚ですね。

実を言うと、最初のうちは「文句なしに会話劇は楽しいんだけど、どうみてもアレの影響っぽくみえるよなあ」などと思いながら読んでいたんですが、ここまで徹底してやってくれたら参ったするしかないですね。
と、いうわけで楽しい会話劇でした。おすすめ。


この作品の名台詞

「お兄ちゃんの阿呆。意地悪。空け(うつけ)。エロ。愚か者。カス。鬼畜。クズ。ケチ。穀潰し」
……ホントに何とでも言い始めやがった。だけど、そんな暴言は俺には通用しない。
「雑魚。失格者。スケベ。制服フェチ。粗悪。多淫。乳好き。面汚し。低能。鈍才。仲間でグループを作るように言われたら一人で残っちゃう。二次元には友達いっぱい」
「うぉぉ……」
思わず声が漏れていた。……だが、そんなことで俺が傷つくと思ったら大間違いだ。
「奴婢(ぬひ)。根暗。のろま。バカ。日陰者。腑抜け。変態。ポエムのタイトルは『未完成』」
「がはぁっ!?」
俺は頭を抱えて叫んでいた。なぜ知っているっ!? アレはもう捨てたはずなのに!
「間抜け。巫女好き。ムッツリ。『救世主(メシア)』というタイトルの歌詞を書いてみた」
「ひいぃっ!?」
「もじゃもじゃ。野卑。イタい子。『勇者:のりと』に『ヒロイン:ミミコ』でRPG」
「何が悪いっ! 誰だってやったことがあるはずだ!」
「似非優等生のふしだらな週末。弱味噌。来世に期待。竜頭蛇尾。累計五冊と二本」
「…………」
下手に『何の数字だよ!?』とも突っ込めない。もう調べられているんだから。
「劣等。六根罪障。猥雑。田舎者。迂愚。ゑぐい。檻の中がお似合いよ、ンジャメナの」
 

→解説


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