“呪肉”の徴―グウィノール年代記〈1〉
作者 :しまだりり:縞田理理
絵師 :春乃壱
デザイン:?
編集 :?
由緒正しきヒロイック……じゃない少女が主人公なのでヒロイニック・ファンタジー開幕!
自他共に認める(笑)人外小説家の縞田さんによる新シリーズです。
(念のため説明しておくと、どの作品も異様に妖精とか獣人とか人外率が高いだけで、ご本人は人間だと思いますよ?……たぶん)
先が気になって気がつけば一冊読み終わってました。ファンタジー系統の物語が好きならおすすめ。
ダルモリカで忌み嫌われる《呪肉》。《呪肉》が見つかると家畜や野菜は焼却処分され、それが人間でも異端審問官に”処理”されてしまう。下町の少女メルにも、最近この呪肉ができてしまい、他の人間に見つかることをずっと恐れていた。ある時ついに呪肉の件が発覚しそうになったが、そこを助けたのが「うつけ姫」として有名な変わり者の姫アラストリナだった。メルは命の恩人であるアラストリアに恩返しすることを決意するが……。
キャラクターが魅力的。中でもメルのこうと決めたら一途な意志の強さや、姫様への忠誠心などはものすごく読み手にも伝わってきます。呪肉を他国と比べて執拗に差別し除外しようとする風潮に、最初はただただ受身に回っていたアラストリナ姫が徐々に対抗しようと考えるに至る経緯とかも丁寧に描写されてますね。全体的に丁寧。風土や社会背景など実際の描写はそこまででしゃばってはいませんが、細部まで設定されているのをうかがわせます。良質なファンタジーですよ!
呪肉の秘密など気になることも多く、続きが気になります。
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